PHPのバージョン、どこで見てどう変える?サーバー会社別の方法
WordPressの画面で本当のPHPのバージョンを見る場所、PHP2Shellのあと今すぐ変えるべきか、変えるなら何番か、エックスサーバー・ロリポップ!・ConoHa WING・さくらなど日本の主なサーバー会社の変更メニューと落とし穴をまとめました。

PHPフリー · Webセキュリティ · 改善編 02
?こんな方におすすめです
- うちのサイトがどのPHPのバージョンで動いているか、自分で確かめてみたい方
- サーバー会社から「バージョンを切り替えてください」と案内が来て、迷っている方
- 切り替える前に、何に気をつければいいかを知っておきたい方
!この記事でわかること
- WordPressの画面で「本当の」PHPのバージョンを見る場所
- 今すぐ変える必要があるのか、変えるなら何番にするのか
- 日本の主なサーバー会社の変更メニューと、切り替えの落とし穴

バージョンの番号は名札です。名札の読み方からわかれば大丈夫です。
「PHPのバージョンを確認してください」と言われると、途方に暮れてしまいます。どこを押せばいいのか、数字が何を意味するのか、変えている途中でサイトが壊れないか。心配が先に立ちます。
順番に進めば難しくありません。まずどこで見るのか、次に変える必要があるのか、最後にサーバー会社ごとにどう変えるのかを、順にお話しします。日本・韓国・米国・中国のサーバー会社と公的機関の資料を読み、日本の方向けにまとめ直しました。
うちのサイトの本当のPHPのバージョンは、どこで見るのか?
WordPressの管理画面で「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」と進み、「PHP バージョン」の行を見ます。見るだけの画面なので、押しても何も変わりません。1·3
同じ画面の「ステータス」タブは、PHPが古いと「このサイトは最新ではないバージョンの PHP (…) を実行しています」と知らせてくれます。1·3 一方、サーバーでphp -vという命令を打って出る番号は、コマンド用のPHPのものです。PHPの公式文書は、使われ方(SAPI)ごとに別の設定ファイルを探すと説明しています。4 私たちの経験でも、ホームページが使うPHPとは設定も番号も違うことがあります。
ところが、番号にはもうひとつ落とし穴があります。車の年式を見ても、リコールの修理を受けたかどうかはわかりません。整備記録を見る必要があります。PHPも同じです。
- ConoHa WINGは、古い番号に修正だけを入れる方式のため、「これまでと同じバージョン番号(例:8.5.11)が表示される場合がございます」と案内しました。7
- Kinstaも、画面に出る番号が、セキュリティの修正が入ったかどうかを必ずしも示さないと説明しています。8
- Ubuntu 24.04の修正版は、
php -vでは8.3.6と出ます。後ろに付く枝番で修正の有無を見分けます。9
- 見る:「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」でPHPのバージョンを確認
- 読む:サーバー会社のお知らせで、うちのバージョンに修正が入ったかを確認
- 決める:サポートが終わるバージョンなら、いつ、何番に移すかを決める
- 準備:バックアップ、プラグインの更新、データが消える方式かどうかの確認
- 切り替えて確認:画面・お問い合わせフォーム・記事の投稿ができるかを見る
1番と2番は、今日10分でできます。3番からは日にちを決めて、落ち着いて進めます。

ヤンのまとめ番号は「何年式か」を教えてくれ、サーバー会社のお知らせは「修理を受けたか」を教えてくれます。両方を合わせて見てください。
PHP2Shellのせいで、今すぐバージョンを変えなければいけないのか?
共用レンタルサーバーなら、ほとんどの場合、今あわてる必要はありません。ただしPHP 8.2以下を使っているなら、年内に移す日を決めておくのがおすすめです。
エックスサーバーは「急いでPHPバージョンを変更いただく必要はございません」、10 ConoHa WINGは「お客様ご自身でPHPバージョンの変更等をしていただく必要はございません」、7 さくらインターネットは「お客様に実施いただく緊急の対応はございません」と案内しました(いずれも2026年10月22日時点)。11 Kinstaも、利用者がすることはないと説明しています。8 一方でロリポップ!は「新しいバージョンのPHP(8.2 以降)への切り替え」をお願いしています。12
ところが、PHP 8.2の公式サポートは2026年12月31日で終わります(リスク編5本目)。「8.2 以降」という案内どおりに8.2へ移すと、2か月後にまた移すことになります。更新まで残り2か月の部屋に引っ越すようなものです。
上の推奨は、WordPress.orgとエックスサーバーのマニュアルにあります。2·13 エックスサーバーは8.2について「新規での利用は推奨しません」とも書いています。13 ただし、選べるバージョンはサーバー会社ごとに違います。さくらインターネットの今回の対応一覧には8.4と8.5がなく、そのうえで「サポート期間中の最新版PHPへの移行をあわせてご検討ください」と添えています。11

ヤンのまとめ「今すぐ」と「いつか」のあいだに「年内」があります。急ぎではありませんが、カレンダーに日付をひとつ書いておいてください。
サーバー会社ごとに、PHPのバージョンはどこで変えるのか?
ほとんどのサーバー会社では、管理画面からドメインごとに変えます。メニューの名前と反映までの時間は会社ごとに違うので、下の表でうちの会社を探してください。
| サーバー会社 | 変える場所 | 知っておくこと |
|---|---|---|
| エックスサーバー | サーバーパネル →「PHP Ver.切替」→ ドメインの右のペンアイコン →「変更後のバージョン」→「設定する」 | ドメインごとに変える13 |
| ロリポップ! | ユーザー専用ページ →「サーバーの管理・設定」→「PHP設定」→ バージョンを選んで変更 | 反映まで5〜10分ほど。PHP 7.1未満から上げると元に戻せない14 |
| ConoHa WING | 「WING」→「サイト管理」→「サイト設定」→「応用設定」→「PHP設定」→「PHPバージョン」を編集して保存 | ドメイン個別の設定が優先される15 |
| さくらのレンタルサーバ | サーバーコントロールパネル →「スクリプト設定」→「言語バージョン設定」→ PHPのバージョンを選んで「保存する」 | 古いバージョンを選び直せば元に戻せる16 |
| お名前.com レンタルサーバー(RSプラン) | コントロールパネルの「高度な設定」→「PHP」→「PHPバージョン」 | 2024年3月の案内による。公式マニュアルは見つけられなかった17 |
| Kinsta | 「サイト」→(サイト名)→「ツール」→「PHP設定」→「変更する」 | 通常は3分以内に終わる18 |
| WP Engine | Sites → 環境の名前 → Updates の PHP → 新しいバージョン → Confirm | 少し待てば終わる。本番と試験の環境で別々に設定6 |

ヤンのまとめメニューが見つからなければ、サーバー会社のサポートに「PHPのバージョンを変えるメニューはどこですか」と聞いてください。それも立派な第一歩です。
切り替える前に知っておくべき落とし穴は?
会社によっては、一度上げると元に戻せなかったり、データベースにつながらなくなったりします。海外には、バージョンの変更が「引っ越し」になって、データが消える会社もあります。
ある会社では、バージョンの変更は部屋の家具の配置換えです。別の会社では、荷物をすべて出して新しい家に入る引っ越しです。引っ越しの日に荷物をまとめておかなければ、空っぽの家に着いてしまいます。
- ロリポップ!:PHP 7.1未満から上げた場合は、元のバージョンに戻せません。切り替えたあとにデータベースの接続エラーが出たら、データベースのパスワードの形式(native_password形式)を変え、wp-config.phpも直す必要があるかもしれません。14
- ConoHa WING:ドメインごとに変えると、.htaccessに「AddHandler」から始まる行が入ります。この行を消すと、設定が食い違うおそれがあります。15
- さくらのレンタルサーバ:メールアドレスでログインするとメールの設定しか出てきません。初期ドメイン(または追加したドメイン)とパスワードでログインすると、バージョンのメニューが出ます。16
- お名前.com:「今まで使用していたPHPプログラムが動かなくなる可能性があります」と注意しています。17
- 海外の例:韓国の大手レンタルサーバーのカフェ24では、サーバー環境を変えると、それまでのデータとデータベースが消えます。19
同じ「バージョン変更」という言葉が、ある会社ではクリック一回、ある会社では引っ越しです。

ヤンのまとめボタンを押す前に、バックアップと、戻せるかどうかの確認から始めてください。ここを専門家に任せるのは、恥ずかしいことではありません。
VPSや自社サーバーなら、何を確かめるのか?
サーバーに入っているPHPのパッケージの変更履歴(changelog)でCVE番号を探し、更新したあとはPHP-FPMとWebサーバーを再起動します。この部分は、サーバーを任せている担当者にそのまま伝えてください。
JPCERT/CCも、Linuxのディストリビューション(OSの配布版)が配るPHPも影響を受ける可能性があるとしています。26 エックスサーバーも、VPSでは利用者自身が必要に応じて修正版へ更新するよう求めています。10
- Ubuntu・Debian:
apt-get changelogで、入っているパッケージの変更履歴を見ます。20 Debianは今回、8.4.27や8.2.35のように公式の修正版の番号に上げました。21 Ubuntuは前の番号をそのままにして、枝番で修正を表しました。9 - Red Hat系:Red Hatは、バージョンの番号だけでは脆弱かどうかわからないと説明しています。22
dnf updateinfo list security --installedで適用済みのセキュリティ情報を、rpm -q --changelogでパッケージの変更履歴を見ます。23·24 - 再起動:Red Hatは、更新後にすべてのワーカーを再起動する必要があり、設定の再読み込み(reload)では足りないとしています。25

ヤンのまとめ社長が命令を覚える必要はありません。「changelogでCVE-2026-109618を確かめたか」「再起動したか」の2つだけを、担当者に聞いてください。
バージョンを切り替えたあとは、何を確かめるのか?
画面がきちんと出るか、お問い合わせフォームとファイルのアップロード、記事の投稿ができるかを確かめます。そして「サイトヘルス」の画面をもう一度開きます。
WordPress.orgは、切り替える前にバックアップを取り、WordPress本体・テーマ・プラグインを先に最新にしてからPHPを変えるよう勧めています。切り替えたあとはサイトが期待どおり動くかを確かめ、問題があればホスティング会社に前のバージョンへ戻してもらうよう案内しています。2 「サイトヘルス」の「ステータス」タブに警告が残っていないかも見ます。1
- ロリポップ!は今回の対応のあとで、サイトの表示やお問い合わせフォーム、ファイルのアップロードなどを確かめるよう求め、「切り替え後にエラーが表示される場合は、プログラムやアプリケーションの更新が必要です」としています。12
- さくらのレンタルサーバは、問題があれば古いバージョンを選び直せば元の環境に戻せると案内しています。16
画面が真っ白になったら、改善編01「PHPを上げたら画面が真っ白に?原因と戻し方」の順番で原因を探せば大丈夫です。

ヤンのまとめバージョンを変えるのは数分ですが、確かめるのには30分を使ってください。お客さまに先に故障を見つけさせてはいけません。
サーバー会社別のPHPバージョンの確認・変更について、よくある質問
PHP2Shellのせいで、今すぐバージョンを変える必要がありますか?
共用レンタルサーバーなら、ほとんどの場合は必要ありません。多くのサーバー会社が修正を入れたと案内しているので、まずうちの会社のお知らせを確かめてください。
何番のバージョンに移せばいいですか?
8.3以上をおすすめします。8.2は2026年12月31日でサポートが終わり、すぐにまた移すことになるからです。
バージョンの番号が前のままですが、修正は入っているのですか?
その可能性はあります。古い番号のまま修正だけを入れる会社もあるので、番号ではなく、サーバー会社のお知らせやパッケージの変更履歴で確かめてください。
SOURCES
- WordPress.org 「Site Health screen」(2026年7月12日更新) wordpress.org
- WordPress.org 「Get a faster, more secure website: update PHP today」(2026年7月29日最終更新) wordpress.org
- WordPress.org 翻訳プラットフォーム 管理画面の日本語訳(2026年9月20日更新) translate.wordpress.org
- PHP Documentation Group 「The configuration file」(日付の表記なし) php.net
- エックスサーバー 「php.ini設定について」マニュアル(日付の表記なし) xserver.ne.jp
- WP Engine 「How to Upgrade Your PHP Version」(2026年7月12日更新) wpengine.com
- ConoHa WING 「【重要】PHPの脆弱性への弊社対応完了のお知らせ(終報)」(2026年10月22日) conoha.jp
- Kinsta 「PHP2Shell: How Kinsta protected WordPress sites」(2026年10月23日) kinsta.com
- Canonical 「USN-8948-1: PHP vulnerabilities」(2026年10月21日) ubuntu.com
- エックスサーバー 「予防的な安全対策に伴う公式サイト・管理画面等の一時停止のお知らせ」(2026年10月22日掲載、10月23日追記) xserver.ne.jp
- さくらインターネット 「PHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)への対応状況について」(2026年10月22日) help.sakura.ad.jp
- ロリポップ! 「PHPの脆弱性への対応に伴うメンテナンス完了と経緯のご報告」(2026年10月22日) lolipop.jp
- エックスサーバー 「PHPのバージョンについて」マニュアル(日付の表記なし) xserver.ne.jp
- ロリポップ! 「PHP設定」マニュアル(日付の表記なし) lolipop.jp
- ConoHa WING 「PHPの設定をする」(日付の表記なし) support.conoha.jp
- さくらインターネット 「PHPのバージョンを変更したい」(2023年12月18日最終更新) help.sakura.ad.jp
- お名前.com 「[レンタルサーバー RSプラン] PHPバージョンアップのお知らせ」(2024年3月13日) onamae.com
- Kinsta 「PHPの再起動と変更」(2026年6月22日最終更新) kinsta.com
- 韓国のレンタルサーバー カフェ24 「서버 환경과 PHP 버전은 어떻게 변경하나요?」(韓国語、日付の表記なし) help.cafe24.com
- Debian Manpages 「apt-get(8)」(日付の表記なし) manpages.debian.org
- Debian 「[DSA 6574-1] php8.4 security update」(2026年10月21日) lists.debian.org
- Red Hat 「Security Backporting Practice」(日付の表記なし) access.redhat.com
- Red Hat 「Managing and monitoring security updates」(RHEL 9、日付の表記なし) docs.redhat.com
- RPM プロジェクト 「rpm(8)」(RPM 6.1.0、2026年8月20日) rpm.org
- Red Hat 「RHSB-2026-013 Request handling memory corruption - php」(2026年10月21日公開、10月23日更新) access.redhat.com
- JPCERT/CC 「PHPにおける複数の脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)に関する注意喚起」JPCERT-AT-2026-0033(2026年10月22日) jpcert.or.jp
全体の順番はガイドで、ステップごとの詳しいやり方は各記事でまとめています。
- PHPの脆弱性の対処ガイド:確認からPHP卒業まで
- PHPを上げたら画面が真っ白に?原因と戻し方
- PHPのバージョン、どこで見てどう変える?(この記事)
- うちのサイトに裏口が残っていないか?Webシェル・侵入の痕跡セルフチェック
- WordPressを静的サイトに移すと?方法と費用
8.2のサポート終了が何を意味するかは、リスク編5本目「PHP 8.2のサポート終了(12月31日)までに決めておくこと」で扱っています。
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最終更新 2026年10月26日

