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PHP 8.2のサポート終了(12月31日)までに決めておくこと

PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日に終わります。何が変わるのか、新しいPHPに上げるときの落とし穴、年末までのカレンダーと中小企業が選べる三つの道をまとめました。

著者 Jeensuk Yang
12月31日に丸をつけたPHP 8.2のカレンダーと、更新の手順を考えるあたたかいデジタル代表ヤン・ジンソクのイラスト

PHPフリー · Webセキュリティ · リスク編 05

Webセキュリティ · PHP 8.2 · サポート終了 PHPフリー 05
読了時間 約7分 更新日 2026.10.25 文 ヤン・ジンソク(あたたかいデジタル代表)

こんな方におすすめです

  • PHP2Shellの騒ぎが落ち着いて、ひと息ついた方
  • 会社のサイトがPHP 8.2以前で動いている方
  • 毎年のように回ってくる更新を、どうするか決めたい方

この記事でわかること

  • PHP 8.2のサポート終了(2026年12月31日)が意味すること
  • 新しいPHPに上げるときにつまずきやすいところ
  • 年末までのカレンダーと、中小企業が選べる三つの道
カレンダーを見ながら考えるヤン・ジンソク
ヤンからのご案内

ようやく落ち着きましたが、カレンダーを見てください。

10月21日の修正のあと、レンタルサーバー各社の緊急メンテナンスも終わり、ニュースも減ってきました。けれども約2か月後の2026年12月31日に、PHP 8.2のサポートが終わります。

今回の騒ぎが「最後」ではなく「始まり」かもしれない理由と、年末までに決めておくことをお話しします。

01End of life

PHP 8.2のサポートが終わると、何が変わるのか?

穴が見つかっても、原則として修正版が出なくなります。

PHPにはバージョンごとにサポート期間があり、PHP 8.2のセキュリティサポートは2026年12月31日に終わります。PHPの公式ページは、サポート期間が終わったバージョンは「もうサポートされない」と書いています。1 車でいえば、メーカーの整備工場がその車種の受け付けをやめるようなものです。車は走りますが、壊れても直してもらえません。

10/21 PHP2Shell 修正版の公開 10/23 別の脆弱性 を公表(条件限定) 12/31 PHP 8.2 サポート終了 年が明けると、8.2も「直してもらえない側」へ

今回は、すでにサポートが終わっていた7.4・8.0・8.1にも、例外的に最小限の修正が公開されました。2 「例外的」とは、次もしてもらえる保証はないということです。

次の期限は、もう決まっています。 時間の流れを指しながら説明するヤン・ジンソク
車は走りますが、壊れても直してもらえません。

ヤンのまとめ年が明けると、PHP 8.2も「直してもらえない側」に移ります。今8.2以前なら、年末までに方向を決めておきましょう。

02By the numbers

サポートが終わったPHPは、珍しいのか?

決して珍しくありません。海外の調査会社CybelAngelの報告と、今回の修正直後の動きを数字で見るとこうなります。

59%バージョンが判明した公開PHP環境のうち、通常の修正版が配られない古い系統の割合3
35.1%サポートが終わったPHPを使うWordPressサイトの割合(CybelAngelが引用した統計)3
2日10月21日の修正から、関連する別の脆弱性が公表されるまで4

10月23日、PHPの開発チームはセッション処理にかかわる別の脆弱性(CVE-2026-115560)を公表しました。10月21日の修正では解決しておらず、修正は次の定期更新に含まれる予定です。4 条件が限られた小さな穴ですが、大きな修正の直後に関連する別の穴が出てきたのは事実です。

ヤンのまとめ「一度直せば終わり」ではありません。直してもらえる期間が残っているバージョンを使うことが基本です。

03Why it continues

なぜ穴は見つかり続けるのか?

探す道具が変わったからです。今回のPHP2ShellはAIを使った調査で見つかり、発見者の一社であるWizは、AIのおかげで攻撃コードを作る手間も大きく減ったと指摘しています。5

守る側にとって、穴が早く見つかるのはよいことです。ただ、攻める側も同じ道具を使えます。古くて大きなプログラムほど、これからも穴が見つかり続けると私は考えています。

ヤンのまとめ今回を「一度きりの事故」ではなく「これから繰り返されること」と見て備えるほうが現実的です。

04Upgrade traps

新しいPHPに上げれば、終わりなのか?

考え方は正しいのですが、実際にやるとつまずくことが多いのです。

WordPressは公式に「PHP 8.3以上」を勧めており、サポートが終わった古いバージョンはサイトを脆弱性にさらすおそれがあるとしています。6 日本のレンタルサーバー各社も同じ方向です。

サーバー会社新しいPHPについての案内
エックスサーバーPHP 8.2は「今後バージョンアップの予定はないため新規での利用は推奨しません」7
さくらインターネット「サポート期間中の最新版PHPへの移行をあわせてご検討ください」8
ロリポップ!古いバージョンにも自社で修正を入れたうえで、「新しいバージョンのPHP(8.2 以降)への切り替え」を依頼9
  • 古いテーマやプラグインが新しいPHPに対応していない。数年前に作ったサイトでは、PHPを上げた瞬間に画面が真っ白になったり、一部のページが表示されなくなったりすることがあります。
  • だから、本番に適用する前に試す。私たちの経験では、本番とは別の場所(テスト環境)で一度動かしてから切り替えるのがいちばん安全です。
  • この作業は、ほぼ毎年回ってくる。8.3のサポートは2027年12月31日、8.4は2028年12月31日に終わります。1 サイトを持っている限り、この作業は定期的に戻ってきます。

年末までのカレンダー

時期やること
10月中自社サイトのPHPのバージョンと、サーバーを管理しているのは誰か(サーバー会社か、自社・制作会社か)を確認
11月8.2以前なら、8.3以上で動くかをテスト環境で確認。テーマ・プラグインの対応状況を確認
12月上旬本番サイトを切り替え。画面の表示とお問い合わせフォームを確認
12月31日PHP 8.2のサポート終了

ヤンのまとめ11月に試しておけば、12月にあわてずに済みます。試す場所がないなら、まずそれを決めておきましょう。

05Three paths

では、御社はどうすればよいのか?

選べる道は三つあります。

A. 使い続けて毎年上げる王道

社内に担当者がいて、試す時間をとれるなら、これが王道です。

B. 保守を任せる費用はかかるが

バージョンアップと脆弱性対応を外部に任せます。「誰が直すか」が決まります。契約にPHPの更新が入っているかは確かめてください。

C. PHPを使わない形にする会社紹介のサイトなら

ページが少なく更新もあまりないなら、「静的サイト」に移せます。PHPのサポート終了も、土台の穴も、はじめから関係なくなります。

ヤンのまとめ年末にあわてる理由を、来年もその次の年も抱えていく必要はありません。一度「うちのサイトに本当にPHPが必要か?」と問いかけてみてください。

FAQ

PHP 8.2のサポート終了についてよくある質問

PHP 8.2のサポートはいつ終わりますか?

2026年12月31日です。そのあとは原則として、穴が見つかっても修正版は出ません。サイトが止まるわけではありませんが、直してもらえなくなります。

レンタルサーバーなら、サーバー会社がやってくれますか?

一部はそうですが、頼り切ってはいけません。今回は古いバージョンにも修正を入れたサーバー会社がありましたが、各社とも新しいバージョンへの切り替えを勧めています。

8.3に上げれば、もう心配ありませんか?

いいえ。8.3のサポートも2027年12月31日に終わります。PHPのバージョンには寿命があり、サイトを持っている限り定期的に上げる必要があります。

SOURCES

  1. PHP 「Supported Versions」(2026年10月25日時点) php.net
  2. PHP Group 「Security advisory: Critical remote code execution vulnerabilities, update now」(2026年10月21日) php.net
  3. CybelAngel 「2.24M Internet-Facing PHP Hosts, 59% on Versions With No Fix Coming」(2026年10月21日) cybelangel.com
  4. PHP Group 「Informational advisory: Session upload progress」(2026年10月23日) php.net
  5. Wiz Research 「PHP2Shell: AI uncovers critical RCE vulnerabilities affecting 70% of the Internet」(2026年10月21日) wiz.io
  6. WordPress.org 「Requirements」(2026年5月7日更新) wordpress.org
  7. エックスサーバー マニュアル(PHPのバージョン一覧) xserver.ne.jp
  8. さくらインターネット 「PHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)への対応状況について」(2026年10月22日) help.sakura.ad.jp
  9. ロリポップ! 「PHPの脆弱性への対応に伴うメンテナンス完了と経緯のご報告」(2026年10月22日) lolipop.jp
PHPフリー リスク編

PHP2Shellをきっかけに、中小企業のホームページが知っておきたいリスクを5本にまとめました。

  1. PHP2Shellとは?中小企業のホームページに何が起きたのか
  2. パッチが済んだのに、なぜ安心できない?三つのケース
  3. VPS・自社サーバーのPHPサイトは、なぜまだ危ないのか
  4. パッチの前に侵入されていたら?攻撃の痕跡三つ
  5. PHP 8.2のサポート終了(12月31日)までに決めておくこと(この記事)

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最終更新 2026年10月25日

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