YouTube「曲を消去する」の使い方|著作権の申し立てへの対応と答え合わせ
YouTube Studioの「曲を消去する」(Erase song)は、著作権の申し立てを受けた動画から曲だけを消す機能です。2026年10月の時点の手順、うまくいかないときの対処、2024年の記事の答え合わせ、権利の注意点をまとめます。

HowtoAI · 動画編集 · 最新版
?この記事はこんな方に
- YouTubeに動画を上げたら、音楽の著作権の申し立てを受けて困っている方
- 「曲を消去する」を押してみたが、うまくいかなかった方
- 会社や店のチャンネルで、BGMの権利を安全に扱いたい方
!この記事でわかること
- YouTube Studioで「曲を消去する」を使う手順(日本語の画面)
- 2024年の発表からいままでに変わったことと、できないこと
- 曲を消したあとも残る、権利と責任の考え方

こんにちは、ヒカリです。
動画に使った音楽で著作権の申し立てを受けると、焦ってしまいますよね。この記事では、YouTubeの「曲を消去する」機能が何をしてくれるのか、Studioでの手順、うまくいかないときの次の手を順番にお伝えします。最後に、2024年の記事の答え合わせと、権利の注意点も一緒に確認しましょうね。
YouTubeの「曲を消去する」(Erase song)とは
2024年7月、YouTubeは「Erase song」の改良を発表しました。私たちは当時、これを「イレーザー機能」として紹介しました。日本語のヘルプでの名前は「曲を消去する」です。動画の音声のうち、著作権の申し立てを受けた曲だけを消し、話し声や効果音を残すことを目指した機能です。
まず押さえておきたいのは、この機能が使える場面です。YouTubeにアップロードした動画に、自動照合システム「Content ID」による著作権の申し立てがつくと、動画のブロックや広告の掲載といった扱いを受けることがあります。「曲を消去する」は、その申し立てがついた動画の中で使う編集メニューです。好きな動画から曲を消す一般的な編集ツールではありません。
YouTubeのヘルプでは、申し立てを受けた内容への対応が3つ並んでいます。
| 日本語の表示 | できること | 対象 |
|---|---|---|
| 曲を消去する | 申し立てを受けた曲だけをミュートする。または、その区間の音声をすべてミュートする | 音声への申し立て |
| 他の曲に換える | 申し立てを受けた音声を、YouTubeオーディオライブラリの曲に置き換える | 音声への申し立て |
| セグメントをカットする | 申し立てを受けた区間を動画から切り取る | 申し立てを受けた区間 |
編集が成功し、申し立てを受けた内容がすべて取り除かれると、申し立ては自動的に削除されます。新しい動画をアップロードし直す必要はありません。ただし、ヘルプには、申し立てを受けた音声の一部が動画に残っていると、申し立ては削除されないとも書かれています。
ヒカリちゃんのまとめ「曲を消去する」は、申し立てを受けた動画で使う編集メニューの一つです。ほかに、置き換えとカットがあると覚えておくと迷いませんよ。
YouTube Studioでの「曲を消去する」の使い方
手順はYouTubeの日本語ヘルプ(2026年10月26日確認)に沿って書きます。画面の表記はアップデートで変わることがあるため、少し違う場合は近い名前の項目を探してください。
パソコンのYouTube Studioで行う場合
- YouTube Studioにログインする。動画をアップロードしたチャンネルのアカウントで入ります。
- 左のメニューから[コンテンツ]を開き、対象の動画を探す。申し立てを受けた動画は、制限の欄に「申し立て」と出ます。マウスを合わせて[詳細を表示]を押すと、申し立ての詳細が見られます。
- 該当の申し立てを見つけて、[対応する]を押す。メニューに、[セグメントをカットする][他の曲に換える][曲を消去する]が出ます。
- [曲を消去する]を選ぶ。処理方法を2つから選びます。ひとつは「曲を消去する」で、申し立てを受けた曲だけをミュートします。もうひとつは「申し立てを受けたセグメントの音をすべてミュートする」で、その区間の音声をすべて消します。
- 必要なら、ミュートの開始時間と終了時間を調整する。申し立てを受けた音声が一部でも残ると、申し立ては消えません。
- プレビューで聞いて確かめ、[保存]を押す。保存すると処理が始まります。動画リストに「動画編集が進行中です」と表示され、残り時間の目安も出ます。
- 処理が終わったら、ページを再読み込みして確認する。編集が反映され、申し立てが消えているかを見ます。
スマートフォンのYouTube Studioアプリで行う場合
アプリでは、[コンテンツ]から対象の動画を選び、通知の[詳細を表示]を開きます。該当の申し立ての右にあるメニューから、[曲を消去する]または[申し立てを受けたセグメントのすべての音をミュートする]を選び、[保存]を押します。ヘルプのアプリ向けの手順に載っているのは、消去とカットです。置き換えたいときは、パソコンのStudioを使ってください。
処理中は、その動画に別の編集ができません。ウインドウを閉じてもかまいませんが、処理が終わるまで動画は編集前の状態のままです。
ヒカリちゃんのまとめパソコンなら[コンテンツ]、[詳細を表示]、[対応する]、[曲を消去する]の順で進みます。保存すると元に戻せないので、保存の前に必ずプレビューで確かめてくださいね。
うまくいかないとき:限界と次の手
YouTubeのヘルプには、「曲の削除が困難な場合は、この編集ができないことがあります」と書かれています。2024年の発表の時点から、AIで精度を上げたが完璧ではない、という立場は変わっていません。日本のPC Watchの記事(2024年7月9日)も、テスト段階では期待した精度が出なかったため、AIを使ったアルゴリズムで精度を高めたと伝えています。
うまくいかないときの考え方を、順に並べます。
- 曲を消去しても申し立てが残る。曲の一部が聞こえたままか、ほかの申し立てが別にあるのかもしれません。ミュートの区間を広げて、プレビューで聞き直します。
- 「曲を消去する」の編集ができない。ヘルプの案内どおり、「申し立てを受けたセグメントの音をすべてミュートする」か、カットを選びます。ヘルプは、すべてをミュートする方が通常は処理が早く、申し立てが自動的に削除される確率が高いと説明しています。
- 話し声は残したいが、曲は消せなかった。この場合は「他の曲に換える」で、申し立てを受けた区間の曲をオーディオライブラリの曲に換えます。ヘルプには、元の音をどこまでミュートするかを選ぶ設定があります。
- 保存ができない。YouTubeパートナープログラム(YPP)に参加していないチャンネルでは、再生回数が10万回を超える動画の変更を保存できないことがあります。
- 一本の動画に申し立てが複数ある。申立人も区間も別々のことがあり、それぞれに対応が必要です。
2026年5月に加わったAIの置き換え(米国のみ)
2026年5月1日、YouTubeは公式の動画チャンネル「Creator Insider」で、「他の曲に換える」ツールに新しい[作成](Create)ボタンを加えたと発表したと報じられました。押すと、YouTubeが著作権フリーの伴奏曲を4つ生成し、そのうちの一つに置き換えて申し立てを解消できます。Music Business Worldwide(2026年5月4日)とCMU(2026年5月5日)が伝えています。
ただし、報道によると、いまのところ対象は米国のユーザーで、YouTube Studioのパソコン版に限られます。世界展開とStudioモバイル版への対応は、2026年後半に予定とされています。生成されるのは歌声のない伴奏曲で、どのAIモデルを使うかをYouTubeは明らかにしていないと報じられています。
ヒカリちゃんのまとめうまくいかないときは、全部ミュート、置き換え、カットの順で試してみましょう。AIで伴奏を作る新機能は報道では米国のみなので、日本では画面で確かめるのが確実です。
2024年の記事の答え合わせ
当時の記事は、YouTubeのニール・モーハンCEOのX投稿(2024年7月3日)とヘルプをもとに、短くまとめたものでした。流れを時系列で並べてから、書いたことを確かめます。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年7月3日 | モーハンCEOが、更新された「Erase Song」ツールを紹介(X投稿)。 |
| 2024年7月7〜9日 | Social Media Today(7日)とPC Watch(9日)が報道。AIによる精度向上が伝えられた。Social Media Todayは、以前はベータ版だったものが広く提供されると報じた。 |
| 2024年10月15日 | 1〜3分の縦型動画が、YouTubeでショート動画として扱われるようになった。有効な申し立てを受けた1〜3分のショートは、ポリシーに関係なくブロックされる(YouTubeヘルプ)。 |
| 2025年6月 | Studioエディタで保存した編集は、元に戻せなくなった(YouTubeヘルプ)。 |
| 2026年5月1日 | 「他の曲に換える」にAIで伴奏を作る[作成]ボタンが加わった(報道では米国のパソコン版のみ)。 |
| 当時書いたこと | いま振り返ると | 判定 |
|---|---|---|
| 著作権の音楽だけを、ほかの音声に影響を与えず削除できる | 目指す動作はそのとおり。ただしヘルプは、曲の削除が難しいと編集ができないことがあると明記している。 | 半分当たり |
| アルゴリズムは完璧ではなく、全部ミュートやカットも試せる | いまのヘルプにも同じ案内がある。全部ミュートの方が成功しやすいという説明も載っている。 | 当たり |
| 編集がうまくいけば、Content IDの警告が解除される | 申し立てが解除される点は正しい。ただし音声が一部でも残ると解除されない。また「警告」ではなく「申し立て」と呼ぶのが正確。 | 半分当たり |
| クリエイターは安心してコンテンツを作れるようになる | 「安心」は言いすぎだった。消去は、申し立ての後始末をする機能で、使う許可を得るものではない。第5章で説明する。 | 外れ |
| (記事では触れていない)保存後の扱い | 2025年6月から、保存した編集は元に戻せない。当時は書いていないが、いま使う人に最も大事な違い。 | いまは違う |
Content IDの「申し立て」は、著作権侵害の「警告」ではありません。
YouTubeのヘルプは、この二つを分けています。著作権侵害の警告(ストライク)は、妥当な削除通知が行われたあとに発生します。申し立ては、通常はチャンネルやアカウントには影響しません。2024年の私たちの記事は、この二つの言葉が少し混ざっていました。
ヒカリちゃんのまとめ機能の説明は大きくは当たっていましたが、「安心して使える」と書いたところは言いすぎでした。保存すると元に戻せない点も、いまは必ず知っておきたいですね。
曲を消したあとも残る、権利と責任の注意点
この機能を使うときに、いちばん誤解されやすい点を整理します。
- 消去は、使用の許可ではありません。曲を取り除くと、その動画の申し立ては消えます。しかし、その曲を使ってよい権利を得たことにはなりません。
- 申し立ての扱いは、著作権者の設定で決まります。著作権者は、動画のブロック、広告を載せての収益化、再生数の追跡のいずれかを選べます。ヘルプによると、音楽の申し立てでいちばん多いのは収益化です。
- 3分以内のショートは、特に厳しい扱いです。1〜3分のショートは、有効な申し立てが一つでもあれば、ポリシーに関係なくブロックされます。公開前に音楽を確認しておくのが安全です。
- 申し立てが誤りなら、異議申し立てができます。必要な権利をすべて持っていると確信できるときだけです。正当な理由なく異議を出すと、著作権者が削除依頼を出すことがあり、妥当な削除通知ならチャンネルが著作権侵害の警告を受けます。
- 音楽出版社と収益を分けられる場合があります。YPPに参加していて音楽の申し立てを受けたときは、収益を分配できることがあります。
AIで作った音楽を使う場合
AIで作った曲は、権利の面倒がないと思われがちです。YouTubeのヘルプ(2026年10月26日確認)には、AI生成の音楽が動画の中心となる音楽である場合などに、クリエイターによる開示が必要だと書かれています。この点は、AI猫動画の記事で書いたYouTubeの表示ルールと同じ考え方です。AIの音楽サービスの使い方と条件は、SunoとUdioの記事も参考にしてください。
ヒカリちゃんのまとめ曲を消すことと、使ってよいことは別の話です。迷ったら、許可のある曲だけを使うのが、いちばん安心ですよ。
申し立てを受けないための準備
申し立ては、アップロードのあとで気づくことが多いものです。Content IDは、動画がアップロードされると自動でスキャンします。公開前に次のことを習慣にすると、あとの手間が減ります。
- BGMは、使える条件が明確な素材を選ぶ。YouTubeオーディオライブラリの曲、自分で作った曲、利用条件を確認した素材などです。
- 市販の曲を、背景に流したまま撮らない。他の人の音源が入ると、一致の対象になることがあります。
- 公開の前に、申し立ての有無を確かめる。アップロード後の[コンテンツ]の制限欄を見ます。
- 編集の前に、元の動画を保管する。保存すると元に戻せないため、元のファイルは手元に残します。
- 会社のチャンネルは、使った曲の一覧を残す。曲名、入手元、利用条件を、動画ごとに控えておきます。
YouTubeから申し立てのメールが届くので、見逃さないようにしてください。曲を探す別の方法としては、YouTube Musicの鼻歌検索の記事もあります。
ヒカリちゃんのまとめBGMの出どころを決め、公開前に確認し、元の動画を保管する。この3つで、申し立てへのあわてた対応がぐっと減りますよ。
「曲を消去する」についてよくある質問
YouTubeの動画から、BGMだけを消すことはできますか?
申し立てを受けた動画なら、YouTube Studioの[曲を消去する]で、その曲だけをミュートできます。申し立てを受けていない動画から好きな曲を消す機能は、ヘルプに載っていません。その場合は、別の編集ソフトを使うことになります。
「曲を消去する」が選べない、またはうまくいかないのはなぜですか?
YouTubeのヘルプによれば、曲の削除が難しいときは、編集ができないことがあります。その場合は、申し立てを受けた区間の音をすべてミュートするか、カットしてください。YPP未参加で再生回数が10万回を超える動画も、保存できないことがあります。
消去したあと、動画を元に戻せますか?
2025年6月から、Studioエディタで保存した変更は、元に戻せません。編集の前に、動画をダウンロードするなどして保管してください。
曲を消すと、著作権侵害の警告はなくなりますか?
Content IDの申し立ては、警告(ストライク)とは別のものです。申し立てを受けても、通常はチャンネルに影響しません。編集がうまくいけば申し立ては削除されます。警告が出るのは、妥当な削除通知が行われたあとです。
SOURCES
- YouTubeヘルプ「著作権の申し立てを受けたコンテンツを動画から削除する」(2026年10月26日確認) support.google.com/youtube/answer/2902117
- YouTubeヘルプ「著作権の申し立てについて」(2026年10月26日確認) support.google.com/youtube/answer/6013276
- YouTubeヘルプ「Content ID の仕組み」(2026年10月26日確認) support.google.com/youtube/answer/2797370
- YouTubeヘルプ「改変または合成されたコンテンツの開示」(2026年10月26日確認) support.google.com/youtube/answer/14328491
- ニール・モーハン氏のX投稿(2024年7月3日。今回は開けず、2024年の私たちの記事経由) twitter.com/nealmohan
- Social Media Today「YouTube Updates Audio Removal Options to Address Copystrikes」(2024年7月7日)(2026年10月26日確認) socialmediatoday.com
- PC Watch「YouTube、話し声や効果音を残したまま、BGMだけ削除できる機能」(2024年7月9日)(2026年10月26日確認) pc.watch.impress.co.jp
- Music Business Worldwide「YouTube creators hit by music copyright claims can now replace tracks with AI」(2026年5月4日)(2026年10月26日確認) musicbusinessworldwide.com
- Complete Music Update「YouTube to let video creators swap out Content ID tracks for royalty-free AI substitutes」(2026年5月5日)(2026年10月26日確認) completemusicupdate.com
「HowtoAI」は、2024年から multifverse.com で続けてきたAI活用の解説シリーズです。社名があたたかいデジタル(ATATAKAI Digital)に変わったことにともない、2026年10月からはこのブログの一つのカテゴリーとして続けていきます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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最終更新 2026年10月26日