TikTokのAI検索とChatGPT|2024年の報道の答え合わせ
2024年5月にTikTokがChatGPTを使ったAI検索を試していると報じられました。その報道の中身、TikTokがその後に出したもの、アメリカ事業の持ち主の変化、いま日本でAIを使って調べる方法を、2026年10月の時点で確かめ直します。

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?この記事はこんな方に
- 「TikTok ChatGPT 検索」という話題を見て、本当なのか気になった方
- TikTokで、AIを使って調べられるのか知りたい方
- 仕事の調べものに、どの検索を使えばよいか迷っている方
!この記事でわかること
- 2024年の報道が実際に伝えた内容と、その後どうなったか
- TikTokのアメリカ事業が、2026年10月までにどう変わったか
- いま日本でAIの検索を使う方法と、確かめるときの注意点

こんにちは、ヒカリです。
2024年に「TikTokとOpenAIが協力してAI検索を作る」と紹介した話の、その後を調べ直しました。この記事では、当時の報道が何を伝えていたか、TikTokがその後に何を出したか、アメリカ事業の持ち主がどう変わったかを順番にお話しします。最後に、いま日本で使えるAI検索のやり方もご案内しますね。
2024年5月の報道は何を伝えていたか
2024年5月中旬、TikTokが検索結果の上部にAIの要約を出す機能を一部のユーザーで試している、と報じられました。画面には「AI search highlights」と表示され、クリックすると別のページに詳しい回答が出ます。TikTokの説明ページには、回答はChatGPTを使って作られ、検索に関係があると判断されたときだけ表示される、と書かれていたそうです(Techloy、2024年5月14日)。
報道が実際に書いていたのは、ここまでです。TikTokの説明ページには、回答が不正確だったり、検索と関係なかったりすることがある、という注意書きもありました。AIではないと思われる「search highlights(検索ハイライト)」という別の表示もあり、こちらは情報源がはっきりしませんでした。TikTokはこの機能を全員に広げるかどうかも、述べていません。
私たちの2024年5月の記事は、この報道をもとに「TikTokとOpenAIが協力し、AI検索サービスを開発」という見出しをつけました。ここで、報道にあった事実と、私たちの見出しにあった言い方を分けて見ておきます。
- 報道にあった事実:TikTokの説明ページに、ChatGPTを使うと書かれていた
- 報道になかったこと:OpenAIとTikTokが提携を結んだ、共同で開発している、という発表
ヒカリちゃんのまとめ最初の報道は「TikTokの説明ページに、ChatGPTを使うと書かれていた」という内容でした。「協力して開発している」とまでは、書かれていなかったのですね。
その後、TikTokとOpenAIの検索はどうなったか
2024年5月から2026年10月までの動きを、AI検索に関係するものにしぼって並べます。TikTok側と、OpenAI側のChatGPT検索を、分けて見てください。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年5月中旬 | TikTokがChatGPTを使った「AI search highlights」を試験中と報じられる。一部の検索のみ、全員への提供は未定。 |
| 2024年10月31日 | OpenAIが自社の「ChatGPT search」を発表。まずPlusとTeamの利用者向け(GIGAZINE、窓の杜)。 |
| 2024年12月16日(米国時間) | ChatGPT searchが、無料ユーザーを含むログイン中の全ユーザーに広がる(Impress Watch)。 |
| 2025年4月 | TikTokがアメリカで「Footnotes(フットノート)」の試験を始める。利用者が動画に補足を付け合う仕組みで、AIではない。同年7月の報道では、承認された投稿者は約8万人。 |
| 2025年5月13日 | TikTokが「AI Alive」を発表。写真を短い動画にする機能で、ストーリー用のカメラの中だけで使える。AI生成のラベルが付く(TechCrunch)。 |
| 2026年5月 | TikTokが試していた、動画のAI要約文を縮小すると報じられる。不正確な要約が多く、今後は動画に映る商品を特定する用途にしぼる、とTikTokの広報担当者が説明(TechRadar、5月11日)。 |
| 2026年10月5日 | TikTokが対話型の「Shopping Assistant」と、アプリ内で買える「Buy Direct」を発表。買い物の案内用で、検索機能ではない(TechCrunch)。 |
TikTok側で私たちが確認できたAI関連の発表は、AI Alive(写真から動画)、動画のAI要約文(のちに縮小)、買い物のアシスタントの3つです。「Footnotes」は、AIではなく、利用者どうしで補足を付ける仕組みです。
ヒカリちゃんのまとめTikTokがその後に出したAI機能は、検索ではなく、写真の動画化や買い物の案内でした。ChatGPTを使った検索が広がった、という報道は見つけられませんでした。
2024年の記事の答え合わせ
2024年5月の記事に書いたことを、ひとつずつ見直します。記事の見出しは、いま振り返ると言い切りすぎていました。
| 当時書いたこと | いま振り返ると | 判定 |
|---|---|---|
| TikTokがChatGPTを使った検索機能を試している | TikTokの説明ページに記載があり、複数の報道が同じ内容を伝えた。試験の事実としては正確だった。 | 当時は正確 |
| 見出し「TikTokとOpenAIが協力し、AI検索サービスを開発」 | TikTokの説明に「ChatGPTを使う」とあっただけで、提携や共同開発の公式発表は見つかっていない。 | 外れ |
| OpenAIが開発中のAI検索は、TikTok向けかもしれない(専門家の見方) | OpenAIは自社の「ChatGPT search」を、誰でも使える形で出した。TikTok向けだったという報道は見つかっていない。 | 外れ |
| TikTokはAI検索を全ユーザーに広げる計画を持っている | 元の報道は「時期も、広げるかどうかも不明」だった。その後、広がったという報道も確認できない。当時の書き方が強すぎた。 | 半分当たり |
| AIの検索結果を、クリエイターの動画より前に出す戦略をとっている | 2024年の試験では検索結果の最上部に出ていた。ただ、その方針が続いたことを示す資料は見つからなかった。 | 半分当たり |
| アメリカ政府の圧力で、アメリカから撤退する可能性がある | 2025年1月に法律は合憲とされたが、実際には撤退せず、2026年1月に新しい米国の運営会社ができて続いている。 | 半分当たり |
| 若い人は、Googleの代わりにTikTokでお店や商品を探す | この点は、元の報道の前置きに近い。この記事では、その後のデータを確かめていない。 | 確認できず |
いちばんの見落としは、報道と見出しの間にあった距離です。
「ChatGPTを使っている」と「OpenAIと協力している」は、同じではありません。前者は利用の事実、後者は企業どうしの約束です。私たちは見出しで後者まで書いてしまい、本文でも、TikTokは「OpenAIとの協力を進めています」と言い切りました。この記事では、そこを正しておきます。
ヒカリちゃんのまとめ当時の記事で当たっていたのは、試験を始めた、という事実の部分です。「協力して開発」という見出しは、裏づけがなく、外れとして扱います。
TikTokのアメリカ事業は、いま誰のものか
2024年の記事は、TikTokが「来年初めまでにアメリカ市場から撤退する可能性」にも触れていました。その後の流れをまとめます。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2025年1月 | アメリカの最高裁が、TikTokの売却か禁止を求める法律を支持。トランプ大統領が、法律を執行しないよう司法長官に指示する大統領令を出した(Wikipediaがニューヨーク・タイムズの報道を引用)。 |
| 2026年1月22日 | アメリカ事業を運営する新会社「TikTok USDS Joint Venture LLC」が発足。CEOはアダム・プレッサー氏。 |
| 2026年1月23日 | The Registerが、出資者としてOracle、Silver Lake、MGXが各15%を持ち、ByteDanceは19.9%と報道。Michael Dell氏の一族の投資会社も出資。 |
| 2026年10月23日 | CNBCが、関係者の話として、新会社が2030年代初めまでに約4ギガワットの計算資源を求めていると報道。会社は数字を確認していない。Oracleは、自社のクラウドが主要な基盤だと説明。契約はまだ確認されていない。 |
新会社の取締役会は7人で、アメリカ人が過半数を占めるとされます。利用者のデータはOracleのアメリカ国内のクラウドに置かれ、推薦のしくみ(アルゴリズム)は、アメリカの利用者のデータで学び直し、更新する計画です(The Register、2026年1月23日)。ByteDanceは19.9%を持ちます。取締役会は7人で、アメリカ人が過半数とされます。
1月下旬には、プライバシーポリシーの改定が話題になりました。正確な位置情報の取得や、AIとのやりとりの把握が、書き加えられたと報じられています(Wiredの報道を紹介したWikipedia)。アメリカで使う方は、改定後の規約を一度読んでおくと安心です。
ヒカリちゃんのまとめ撤退はせず、2026年1月にアメリカ専用の運営会社ができて、サービスは続いています。日本で使う方は、日々の使い方が変わったわけではなさそうです。
いま日本で「AIで調べる」ならChatGPT検索が現実的
TikTokの検索にAIの要約が出る機能は、日本で確認できていません。いまAIの助けで調べたい場合は、OpenAI自身の「ChatGPT search」が、いちばん分かりやすい選択肢です。
OpenAIのヘルプ(2026年10月26日確認)によると、Webの検索は、Free、Go、Plus、Pro、Business、Enterprise、Eduの各プランで使えます。ログインしていない人も使えます。ブラウザのchatgpt.comと、デスクトップ・モバイルのアプリで使えます。ヘルプには、日本を除くといった地域の制限は書かれていません。ただし、検索の回数などは、プランの利用上限の対象です。
- 質問を送ると、ChatGPTが最新情報が必要だと判断した場合は、自動でWebを検索します。
- 自分で検索させたいときは、会話を開いて「View all tools」から「Search」を選びます。入力欄に「/」と打って「Search」を選ぶ方法もあります。
- 答えには出典が付くことがあります。出典を選ぶと元のページが開きます。「Sources」で一覧も見られます。
- 重要な数字や日付は、必ず元のページを開いて確かめます。
ヘルプ自身も、検索結果や出典は不完全だったり、古かったり、誤っていたりすることがある、と注意しています。出典を開いて、答えを裏づけているか確かめるように、とも書かれています。
プランごとの違いや料金は、ChatGPT Plusと無料版の違いにまとめています。ChatGPTの使い方の基本は、ChatGPTを使いこなす5つのコツを参考にしてください。
TikTokの検索は、使い方の向き不向きを分けると役に立ちます。お店の雰囲気や、実際に使っている様子のように、動画で見て分かる情報を探すのに向いています。一方で、法律、医療、お金のような、間違えると困る内容は、動画の中で言われていることだけを頼りにしないほうが安全です。
ヒカリちゃんのまとめAIで調べたいなら、無料で始められるChatGPT検索が現実的です。どの方法で調べても、大事な数字は出典を開いて確かめましょう。
AI検索の報道を読むときに気をつけたいこと
この件から、私たちは次の3つを学びました。仕事でAIや新サービスの話題を扱う方にも、そのまま使えます。
- 「使っている」と「提携している」を分けて読む。製品の説明に「ChatGPTを使う」と書かれていても、企業どうしの契約を意味するとは限りません。見出しではなく、一次の発表を探します。
- 試験の報道は、数か月後に確かめ直す。2024年のAI検索の試験は、続報が見つかりませんでした。試験の段階の話は、広がるとは限らない、という前提で読みます。
- 国ごとに違う話を混ぜない。アメリカ事業の持ち主の変化は、アメリカの運営会社の話です。日本で同じことが起きたとは限りません。
TikTokでAIが目立つ場面は、検索から、写真の動画化や買い物の案内へ移りました。AIで何かを調べるときは、検索の機能が入ったアプリと、検索のために作られたサービスを分けて考えると、整理しやすくなります。
商品を探す目的なら、2026年10月に発表されたTikTokのShopping Assistantは、まずアメリカで試されている段階だと報じられています。日本での提供を伝える記事は、確認できませんでした。
ヒカリちゃんのまとめ報道を読むときは、見出しより、誰が何を発表したかを確かめます。試験の話は、少し時間をおいて、もう一度確かめるのがおすすめです。
TikTokのAI検索についてよくある質問
TikTokでAI検索は使えますか?
2024年5月に、検索結果の上部にAIの要約を出す試験が報じられました。その後に全員へ広がった、あるいは日本で使えるようになったという情報は、確認できていません。
TikTokとOpenAIは提携したのですか?
2024年の試験では、TikTokの説明ページにChatGPTを使うと書かれていました。ただ、提携の発表は見つかっていません。「ChatGPTを使っている」ことと「提携している」ことは別です。
ChatGPTの検索は無料で使えますか?
OpenAIのヘルプでは、Freeプランでも、ログインしていなくても使えると案内されています(2026年10月26日確認)。回数は、プランの利用上限の対象です。
TikTokのアメリカ事業は、いま誰が運営していますか?
2026年1月22日に発足した「TikTok USDS Joint Venture LLC」です。Oracle、Silver Lake、MGXが各15%、ByteDanceが19.9%を持つと報じられています。
SOURCES
- Techloy「TikTok tests ChatGPT-powered summaries in searches」(2024年5月14日) techloy.com
- GIGAZINE「OpenAI announces AI search service ChatGPT search」(2024年11月1日) gigazine.net
- Impress Watch「ChatGPT Search、無料ユーザーも利用可能に」(2024年12月17日) watch.impress.co.jp/docs/news/1648124.html
- OpenAI Help Center「Searching the web with ChatGPT」(アーカイブ、2026年10月26日確認) help.openai.com/en/articles/9237897
- MobileSyrup「TikTok testing new Footnotes feature」(2025年7月30日) mobilesyrup.com
- TechCrunch「TikTok launches TikTok AI Alive」(2025年5月13日) techcrunch.com
- TechRadar「TikTok is scaling back its AI summaries feature」(2026年5月11日、Yahoo Techに転載) tech.yahoo.com
- TechCrunch「TikTok rolls out an AI shopping assistant and one-click checkout」(2026年10月5日) techcrunch.com
- The Register「Oracle, Michael Dell, named as investors in JV that will run TikTok's US operations」(2026年1月23日) theregister.com
- Wikipedia「TikTok USDS」(2026年10月26日確認。ニューヨーク・タイムズ、Wiredなどの報道を引用) en.wikipedia.org/wiki/TikTok_USDS
- CNBC「TikTok U.S. hunts for multiple gigawatts of computing capacity」(2026年10月23日。本文は取得できず、検索結果の要約で確認) cnbc.com
「HowtoAI」は、2024年から multifverse.com で続けてきたAI活用の解説シリーズです。社名があたたかいデジタル(ATATAKAI Digital)に変わったことにともない、2026年10月からはこのブログの一つのカテゴリーとして続けていきます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
調べものにも、AIを。
ChatGPTの検索やAIの要約を、仕事の調べものにどう使うか。出典の確かめ方まで含めて、会社の仕事に合わせて一緒に考えます。
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最終更新 2026年10月26日