OpenAIのAGI 5段階スケールはいまどこまで?|2026年の答え合わせ
2024年7月に報じられたOpenAIの「AGIに向けた5段階スケール」は、その後どうなったのか。2026年10月までの動きを、OpenAIの公式発表と報道・論評に分けて整理しました。いまのChatGPTでエージェントを仕事に試す方法と注意点もまとめています。

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?この記事はこんな方に
- 「OpenAI AGI 5段階」で調べて、2024年の話がいまどうなったか知りたい方
- 「AIエージェント」「AGI」という言葉をよく聞くが、自分の仕事との関係がつかめない方
- ChatGPTを仕事に使っていて、次に何を試すか考えている方
!この記事でわかること
- 5段階スケールの中身と、2024年7月に報じられたこと
- 2026年10月までに各レベルで起きたこと(公式の発言と論評を分けて)
- いまのChatGPTで「エージェント」を試す方法と、任せる前の注意

こんにちは、ヒカリです。
2024年7月、「OpenAIがAGIに向けた5段階のスケールを持っている」というニュースが流れました。この記事では、当時なにが報じられたのか、2026年10月までに実際なにが起きたのか、2024年に私たちが書いた記事は何が当たって何が外れたのかを順番に確かめます。最後に、いまのChatGPTで「エージェント」を仕事に試す方法もお伝えしますね。
2024年7月に報じられた、OpenAIのAGIへの5段階
2024年7月11日、米Bloombergは、OpenAIがAIの進み具合を5つのレベルで測る分類を社内で共有したと報じました。OpenAIの広報担当者も、この分類があることを認めています。私たちは同じ月に、この報道を紹介する記事を書きました。
報じられた5つのレベルは次のとおりです。
| レベル | 名前 | 報じられた中身 |
|---|---|---|
| 1 | Chatbots(チャットボット) | 自然な言葉で会話できるAI。当時のChatGPTがここにあたる。 |
| 2 | Reasoners(推論者) | 博士号を持つ人のように、基本的な問題解決ができるAI。 |
| 3 | Agents(エージェント) | 利用者に代わって行動できるAI。 |
| 4 | Innovators(イノベーター) | 発明を助け、新しいアイデアで人類の知識に貢献できるAI。 |
| 5 | Organizations(組織) | 組織全体の仕事をこなせるAI。 |
報道によると、OpenAIは社員に対し、GPT-4oを含むいまの技術は「レベル1」にあり、社内の研究は「レベル2」の手前まで来ていると説明しました。社内の会議では、GPT-4を使って人間のような推論の兆しを見せる研究も紹介されたといいます。この分類は、いずれ投資家など社外にも示す予定だと伝えられました。
ヒカリちゃんのまとめ5段階は「OpenAIが社内で使っている物差し」として報じられたものです。公式の発表資料ではない、という点を覚えておいてくださいね。
5段階スケールのその後:2026年10月までの年表
報道から2年あまりで、レベル2から4にかかわる出来事が続きました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年7月 | Bloombergが5段階の分類を報道。OpenAIは「レベル1にいて、レベル2の手前」と社内で説明。 |
| 2024年9月 | 推論モデル「o1」を公開。アルトマンCEOは米T-Mobileのイベントで、o1をレベル2(推論者)に位置づけ、レベル3(エージェント)は「比較的早く」来るという趣旨を話したと報じられた。 |
| 2025年1月 | アルトマン氏が個人ブログで「従来の意味でのAGIの作り方はわかったと確信している」と書き、2025年には最初のAIエージェントが「労働力に加わる」かもしれないと予告。超知能にも目を向け始めたと述べた。 |
| 2025年1月23日(米国時間) | Webの操作を代わりに行うエージェント「Operator」を研究プレビューとして公開(米国のPro利用者向け)。 |
| 2025年7月 | 「ChatGPT エージェント」を発表。Operatorの操作機能とdeep researchを一体にし、Pro・Plus・Teamで順に提供。 |
| 2025年8月 | アルトマン氏がCNBCの番組で、AGIは「あまり役に立つ言葉ではない」と発言。人や会社によって定義が違うことを理由に挙げた。 |
| 2025年9月 | Google DeepMindが論文「Levels of AGI」を改訂(第5版)。レベル4の名前を「Virtuoso」から「Exceptional」に変えた。 |
| 2025年10月28日 | OpenAIの営利部門が公益法人(PBC)に移行し、Microsoftと新しい契約を結ぶ。AGIの宣言は独立した専門家パネルが検証することに。同じ日のライブ配信で「2026年9月までに研究インターン級、2028年3月までに自動化されたAI研究者」という社内目標を公表。 |
| 2026年4月27日 | Microsoftとの契約を再び改定。OpenAIからMicrosoftへの収益分配は、技術の進み具合にかかわらず2030年まで続く形になった。 |
| 2026年7月9日 | ChatGPTの中で長い作業を任せられるエージェント「ChatGPT Work」を公開。 |
| 2026年9月6日 | 「自社の測定では」研究インターンの目標に到達したと発表。 |
| 2026年9月29日 | 開発者向けイベントDevDay 2026で、常時動き続けるエージェント「dots」を発表(Pro・Business Premium向け)。 |
| 2026年10月6日 | 社内の最先端モデルが出した数学の新しい結果をまとめて公開。 |
なお、2025年の「ChatGPT エージェント」は、2026年10月時点のヘルプでは提供を終えたと案内され、長い作業にはChatGPT Workを使うよう書かれています。
ヒカリちゃんのまとめ2年あまりで、エージェントは実際に使える製品になり、研究の自動化も目標の日付どおりに「到達」と発表されました。それでも、AGIそのものはまだ宣言されていません。
レベルごとのいま:公式の発言と論評を分けて見る
まず押さえておきたいのは、2026年のOpenAIの公式発表が、5段階の言葉をほとんど使っていないことです。ChatGPT Work、研究の自動化、DevDay 2026の発表文を読んでも、「レベル3」「Innovators」といった表現は出てきません。代わりに使われているのは「エージェント」「自動化されたAI研究者」「RSI(AIが自分自身の研究を進めて改良を重ねること)」といった言葉です。
| レベル | OpenAIが公式に言ったこと | 報道・論評 |
|---|---|---|
| 2 推論者 | 2024年9月、CEOがo1をレベル2に位置づけたと報じられた。いまのChatGPTでは、無料版でも「Think」で推論を使え、有料プランではより高度な推論(リーズニング)モデルが使える。 | 当時の報道は「o1がレベル2に到達」と伝えた。 |
| 3 エージェント | Operator(2025年)、ChatGPT Work(2026年7月)、dots(2026年9月)と製品を出している。ただし「レベル3に到達した」とは書いていない。 | 2025年のChatGPT エージェントは、誤りもありうる初期段階の機能と報じられた。OpenAI自身も、長いタスクの多くで人の手が入っていると書いている。 |
| 4 イノベーター | 研究インターン級に到達したと発表。数学の新しい結果も公開した。どちらも「イノベーター」とは呼んでいない。 | 研究インターンの数字はOpenAI自身の測定で、外部の検証を経たものではない。数学の結果は、数学者が確かめられるよう証明とあわせて公開された段階。 |
| 5 組織 | 到達を示す発言は見つからなかった。 | 到達を伝える報道は見つからなかった。 |
「研究インターン」の中身
OpenAIは2026年9月6日の発表で、「研究インターン」を「人の指示のもとで、熟練の研究者なら数日かかる、範囲のはっきりした研究タスクをこなせるシステム」と定義しました。8月中旬の時点で、研究部門ではエージェントの作業量が人の作業量の3.1倍(8時間労働で換算)になったといいます。
同じ発表には、注意すべき点も書かれています。4〜8時間かかるタスクで成功したものの半分以上で、途中に人の手が1回以上入っていました。また2026年7月には、エージェントが研究用の基盤を侵害していたことがわかり、展開予定の最新モデルの強化学習を一時止めたと説明しています。
AGIはどうなったか
OpenAIはAGIを宣言していません。2025年10月のMicrosoftとの契約では「AGIを宣言したら専門家パネルが検証する」と決めましたが、2026年4月の再改定で、収益分配は「技術の進み具合にかかわらず」続く形になりました。改定後の発表文には「AGI」という言葉が出てきません。少なくとも収益分配については、AGIの宣言が条件ではなくなったと読めます。
ヒカリちゃんのまとめOpenAI自身はもう5段階の言葉で語っていません。「レベル3に来た」「レベル4の兆し」というのは、多くが報道や解説の言い方なので、区別して読んでくださいね。
2024年の記事の答え合わせ
私たちは2024年7月、Bloombergの報道をもとにこのニュースを紹介しました。当時書いたことが、いまから見てどうだったかを確かめます。
| 当時書いたこと | いま振り返ると | 判定 |
|---|---|---|
| OpenAIが5段階のスケールを「公開」した | 実際は社内で共有された分類で、報道と広報の確認で知られたもの。公式文書として公開されたことはない。 | 半分当たり |
| 現在はレベル1で、レベル2の直前 | 2か月後にo1が出て、CEOがレベル2に位置づけたと報じられた。 | 当たり |
| 5段階に「AGI」という言葉はなく、どこがAGIかはわからない | いまも公式な対応づけはない。CEO自身がAGIを「あまり役に立つ言葉ではない」と言うようになった。 | 当たり |
| Google DeepMindのスケールでは、Emerging(新興)より上はまだ達成されていない | 汎用AIについては正しい。ただし特定分野のAIでは、AlphaFoldなどが最上位のSuperhumanとされていた。2025年にはレベル4の名前も変わった。 | 半分当たり |
| AGIが達成されると、その技術はMicrosoftとの商業条件から外れる | 2025年と2026年の契約改定で、MicrosoftのIP権はAGI後のモデルも含めて2032年まで続き、収益分配も技術の進み具合と切り離された。 | いまは違う |
| OpenAIは「AGI」という言葉の重みを避け、慎重に言葉を選んでいる | 5段階では避けていたが、CEOは2025年にAGIの作り方はわかったと書き、超知能や研究の自動化の目標日も公言するようになった。 | 半分当たり |
いちばんの見落としは、「レベルを誰が測るのか」を書かなかったことです。
5段階は、OpenAIが自分で作り、自分で当てはめる物差しです。2026年の「研究インターン到達」も、発表文には「自社の測定では」と書かれています。当時の記事は5つのレベルを紹介しただけで、その判定が外から検証できるのかには触れていませんでした。ニュースを読むうえで、そこがいちばん大事な点でした。
ヒカリちゃんのまとめ「レベル2の直前」という見立ては当たりました。外れたのはMicrosoftとの契約の行方で、抜けていたのは「誰がどう測るのか」という視点です。
レベル3の「エージェント」を、いま仕事で試すには
5段階のうち、いちばん身近になったのはレベル3のエージェントです。日本のChatGPTの料金ページ(2026年10月26日確認)では、次のように案内されています。
資料集めから表・スライド・文書づくりまで、長い作業を任せられるエージェント。無料版とGoでは、デスクトップアプリで制限つきで使えます。
利用者が決めた目標に向けて、裏側で動き続けるエージェント。料金ページでは、個人向けプランではProだけの機能、会社向けではBusinessのプレミアムシートの機能として案内されています。
決まった時刻に同じ作業を繰り返させる機能。メールなどの出来事をきっかけに動かすタスクはPlus以上で使えます。毎週の報告づくりなどに向きます。
いきなり大きな仕事を任せるより、次の順番で試すのがおすすめです。
- 自分がよく知っている作業を一つ選ぶ。OpenAIも、すでによく知っている作業を任せてみるのがいちばんの覚え方だと書いています。例に挙がっているのは、月末の予算と実績の差の分析や、商談の準備などです。
- つなぐアプリは必要なものだけにする。メールやドライブをつなぐと、エージェントはその中身を読み、代わりに操作できるようになります。
- 大事な操作は承認制にする。何にアクセスさせるか、どの操作の前に承認を求めるかは、自分で決められます。送信や共有の前には必ず止まるようにしておきます。
- できあがった資料は人が確かめる。数字の出典、引用、画像の権利は、使う前に自分で確認します。
ChatGPT自体の設定やカスタマイズはChatGPTのパーソナライズの記事で、Microsoft 365で使う場合はCopilotの使い方の記事で詳しく紹介しています。
ヒカリちゃんのまとめエージェントは、Plusのプランから本格的に試せます。よく知っている小さな作業から始めて、つなぐアプリと承認のルールを先に決めておくと安心です。
これから「AGI」「5段階」のニュースを読むときの見方
OpenAIは、2028年3月までに「自動化されたAI研究者」をつくるという次の目標を掲げています。これからも「レベル○に到達」「AGIが近い」といったニュースは続くはずです。私たちは、次の4つを確かめながら読むようにしています。
- 誰が言ったか。会社の公式発表か、CEOのインタビューか、報道か、解説記事か。
- 何で測ったか。会社自身の測定か、外部の検証があるか。「研究インターン到達」は、OpenAI自身の測定です。
- どの製品で、日本で使えるか。発表と、実際に使えるようになる時期や対象プランは違うことがあります。
- 自分の仕事のどこに当てはまるか。「レベル」より、「どの作業を、どこまで任せられるか」で考える。
他社の物差しもあります。Google DeepMindの「Levels of AGI」は、性能の高さと、どれだけ幅広い作業ができるかを分けて考え、さらに人がどこまで関わるか(自律性)を別の軸で整理しています。どの物差しも、会社や研究者が自分で決めたものです。
ヒカリちゃんのまとめ大きなニュースほど、「誰が、何で測って、いつから使えるのか」を確かめるのがおすすめです。そのうえで、自分の仕事で何を任せるかを考えていきましょう。
OpenAIのAGI 5段階についてよくある質問
OpenAIはAGIを達成したのですか?
2026年10月時点で、OpenAIはAGIの達成を宣言していません。2025年10月のMicrosoftとの契約では、宣言する場合は独立した専門家パネルが検証すると決めています。
いまのAIは5段階のどのレベルですか?
OpenAIの最新の公式見解はありません。2024年9月にCEOがo1をレベル2に位置づけたと報じられ、その後エージェントの製品が次々に出ました。2026年9月には「研究インターン」級に到達したと発表していますが、OpenAIはこれをレベル4とは呼んでいません。
5段階スケールはOpenAIの公式資料で見られますか?
私たちが調べた範囲では、公式の文書として公開されたものは見つかりませんでした。2024年7月のBloombergの報道と、OpenAI広報の確認で知られた分類です。
エージェントは日本で使えますか?
使えます。日本の料金ページでは、ChatGPT WorkはPlus(月3,000円)以上でデスクトップ・Web・モバイルから使え、無料版とGoではデスクトップアプリで制限つきです。dotsはPro(月16,800円から)の機能として案内されています(2026年10月26日確認)。
SOURCES
- Bloomberg「OpenAI Sets Levels to Track Progress Toward Superintelligent AI」(2024年7月11日、有料記事のため本文は未確認) bloomberg.com
- XenoSpectrum(2024年7月13日) xenospectrum.com
- The Rundown AI「OpenAI's o1 achieves 'Level 2'」(2024年9月20日) therundown.ai
- Sam Altman「Reflections」(2025年1月) blog.samaltman.com/reflections
- gihyo.jp(2025年1月24日) gihyo.jp/article/2025/01/openai-operator
- Impress Watch(2025年7月18日) watch.impress.co.jp/docs/news/2032302.html
- CNBC「Sam Altman now says AGI, or human-level AI, is 'not a super useful term'」(2025年8月11日) cnbc.com
- Google DeepMind ほか「Levels of AGI for Operationalizing Progress on the Path to AGI」第5版(2025年9月24日) arxiv.org/abs/2311.02462
- OpenAI「The next chapter of the Microsoft–OpenAI partnership」(2025年10月28日) openai.com/index/next-chapter-of-microsoft-openai-partnership
- TechCrunch「Sam Altman says OpenAI will have a 'legitimate AI researcher' by 2028」(2025年10月28日) techcrunch.com
- OpenAI「The next phase of the Microsoft OpenAI partnership」(2026年4月27日) openai.com/index/next-phase-of-microsoft-partnership
- OpenAI「ChatGPT is now a partner for your most ambitious work」(2026年7月9日) openai.com/index/chatgpt-for-your-most-ambitious-work
- OpenAI「Research acceleration: The view inside OpenAI」(2026年9月6日) openai.com/index/research-acceleration-view-inside-openai
- OpenAI「DevDay 2026 Recap」(2026年9月29日) openai.com/index/devday-2026-recap
- TechCrunch「OpenAI launches Dots, its bubbly agentic avatar」(2026年9月29日) techcrunch.com
- OpenAI「Sharing AI progress in mathematics」(2026年10月6日) openai.com/index/sharing-ai-progress-in-mathematics
- OpenAI Help Center「ChatGPT agent」(2026年10月12日時点のアーカイブ) help.openai.com/en/articles/11752874
- ChatGPT「プランと料金」(2026年10月26日確認) chatgpt.com/ja-JP/pricing
「HowtoAI」は、2024年から multifverse.com で続けてきたAI活用の解説シリーズです。社名があたたかいデジタル(ATATAKAI Digital)に変わったことにともない、2026年10月からはこのブログの一つのカテゴリーとして続けていきます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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最終更新 2026年10月26日