Llama 3.1の答え合わせ|オープンソースの意味とその後
2024年7月に発表されたMetaの「Llama 3.1」を、2026年10月の目で答え合わせします。「オープンソース」と呼べるのか、Llama 4からMuseへの方針転換、ライセンスの制限、いま日本で使えるオープンウェイトのモデルまで整理します。

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?この記事はこんな方に
- 「Llama 3.1」のニュースを覚えていて、その後どうなったか知りたい方
- 「オープンソースのAI」と聞いて、自由に商用で使えると思っていた方
- Llamaや似たモデルを、仕事で安全に使えるか確かめたい方
!この記事でわかること
- Llama 3.1の発表内容と、2024年の記事のどこが当たり、どこが外れたか
- Llama 4から、2026年10月の「Muse」まで、Metaの方針がどう動いたか
- ライセンスの制限と、いま日本で使えるオープンウェイトのモデル

こんにちは、ヒカリです。
2024年7月に紹介した「Llama 3.1」の答え合わせをします。まず、当時の発表で何が言われていたかを整理します。次に、その後の2年あまりでMetaとLlamaがどう変わったかを見て、「オープンソース」という言葉とライセンスの話に進みます。最後に、いま日本で使える選択肢をお伝えしますね。
Llama 3.1とは:2024年7月の発表内容
Metaは2024年7月23日、AIモデルの新しい世代「Llama 3.1」を公開しました。8B・70B・405Bの3つの大きさがあり、いちばん大きい405B(4050億パラメータ)を、Metaは「最初の最先端級のオープンソースAIモデル」と紹介しました。私たちは同じ月に、この発表を日本語で記事にしました。
当時の発表の要点は次のとおりです。
- 性能:Metaは150を超えるベンチマークと人による評価を行い、405BはGPT-4o、Claude 3.5 Sonnetと競える水準だと説明しました。モデルカードの値では、405B InstructのMMLU(CoT)は88.6です。
- 対応言語:英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、ヒンディー語、スペイン語、タイ語の8言語です。日本語は、公式の対応言語に入っていません。
- ライセンスの変更:モデルの出力を、ほかのモデルの改良に使えるようになりました。合成データの生成や「蒸留」(大きなモデルの答えで小さなモデルを育てること)がねらいです。
- パートナー:AWS、NVIDIA、Databricks、Groq、Dell、Azure、Google Cloud、Snowflakeなど25社以上が、初日からサービスを用意しました。
学習の規模について、報道は約1万6000個のNVIDIA H100を使ったと伝えています。Metaのモデルカードによると、学習に使った計算量は全体で3930万GPU時間で、うち405Bが3084万GPU時間です。
ヒカリちゃんのまとめLlama 3.1は、重みを公開した大きなモデルとして、たしかに大きな出来事でした。ただ、日本語が公式の対応言語に入っていなかった点は、覚えておいてくださいね。
その後の年表:Llama 4からMuseへ
2024年7月から2026年10月までの、Metaのオープンウェイト(重みを公開する)モデルをめぐる主な動きです。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年7月23日 | Llama 3.1(8B・70B・405B)を公開。 |
| 2024年10月 | OSI(Open Source Initiative)が「オープンソースAIの定義」1.0を公開。MetaのLlamaは、学習データが公開されていない点などから、この定義を満たさないと報じられた。東京科学大学とAISTのチームは、Llama 3.1の日本語を強化した「Llama 3.1 Swallow」を公開(10月8日)。 |
| 2025年2月18日 | OSIが、Llamaのライセンスはオープンソースではないとあらためて表明。 |
| 2025年4月5日 | Llama 4のScoutとMaverickを公開。画像とテキストを扱い、ライセンスはLlama 4 Community License。最大のBehemothは、その時点では学習中として公開されなかった。 |
| 2025年6月 | MetaがScale AIの株式の49%を143億ドルで取得し、共同創業者のAlexandr Wangが最高AI責任者に就任。のちにMeta Superintelligence Labs(MSL)が新しいAI開発の中心になる。 |
| 2026年4月8日 | MSL初のモデル「Muse Spark」を発表。重みを公開しない独自(プロプライエタリ)のモデルで、Meta AIアプリとWebで使える。Metaは「現在のLlamaモデルはオープンソースとして使い続けられる」と述べたが、新しいLlamaを作るかは明らかにしなかった。 |
| 2026年8月10日 | 小型のオープンウェイトモデル「Muse Glimmer」を公開。報道では約300億パラメータ、Apache 2.0で、Muse Spark 1.2から蒸留したもの。ノートパソコンや1枚のGPUで動かすことをねらう(Meta自身のページでは未確認)。 |
| 2026年10月15日 | 「Muse Spark Open」を公開。816Bパラメータ(実際に働くのは42B)、コンテキスト長100万トークン、Hugging Faceで重みを配布。ライセンスは独自の「Muse Model License」。 |
流れをひと言でいうと、Metaは「Llamaを公開し続ける会社」から、「独自モデルを主役にしつつ、別の名前で重みも出す会社」に変わりました。MetaはLlama 4の次に、Llamaの名前では新しい世代を出していません。2026年10月26日の時点で、私たちが確認できたLlamaの最新は2025年のLlama 4です。
ヒカリちゃんのまとめLlamaの次に出てきたのはLlama 5ではなく、Museという新しい名前の家族でした。重みの公開は続いていますが、主役は重みを公開しない独自のモデルに移っています。
2024年の記事の答え合わせ
2024年7月の記事に書いたことを、いまの時点の公式資料と照らして確かめます。
| 当時書いたこと | いま振り返ると | 判定 |
|---|---|---|
| 史上最大の「オープンソース」AIモデル | 公開当時、重みを公開したモデルとしては最大級だった。いまはMuse Spark Open(816B)やLlama 4 Maverick(総パラメータ400B)などがあり、405Bが最大ではない。また「オープンソース」という呼び方は、OSIが認めていない。 | 半分当たり |
| 8つの言語に対応(アラビア語、ベンガル語を含む) | 公式の8言語は、英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語・ポルトガル語・ヒンディー語・スペイン語・タイ語。アラビア語とベンガル語は入っていない。日本語も入っていない。 | 外れ |
| 15兆トークン以上で学習、コンテキストは12万8000トークン | モデルカードの記載と一致する。 | 当時は正確 |
| MMLUで88.6% | 405B InstructのMMLU(CoT)は、モデルカードでも88.6。GPT-4oの88.7%という比較の相手側の数字は、今回は確認していない。 | 当たり |
| NVIDIAのH100を1万6000個使って学習 | 報道でも約1万6000個とされている。 | 当たり |
| 使用コストはGPT-4oの半分 | ザッカーバーグ氏の公開書簡(2024年7月23日)に、405Bを自社の環境で動かす費用は「GPT-4oのような非公開モデルの約50%」とあった。Metaのブログ本文ではなく書簡の記述で、第三者の検証は確認していない。 | 半分当たり |
| 商用ライセンスの詳細はまだ不明 | ライセンスの全文は、公開日の2024年7月23日付で出ていた。月間ユーザー7億人の条件や表示義務などが、はっきり書かれている。 | いまは違う |
| 来年はLlamaが業界で最も進んだモデルになる(ザッカーバーグ氏) | Llama 4のあと、Metaは新組織のMSLで独自モデルのMuse Sparkを作った。Metaは、Muse SparkがLlama 4 Maverickと同等の力を、10倍以上少ない学習計算量で出したと説明している。 | 外れ |
いちばんの見落としは、「オープンソース」をMetaの言葉のまま書いたことです。
見出しにも本文にも、Metaの説明をそのまま使いました。けれど、その言葉が何を約束するのかは、確かめていませんでした。次の章で整理します。
ヒカリちゃんのまとめ数字の部分はおおむね当たっていました。外れたのは、言語の一覧と「オープンソース」という呼び方、そしてLlamaの未来の見通しでした。
Llamaは「オープンソース」なのか:ライセンスの制限
「オープンソース」は、決まった意味を持つ言葉です。OSIの「オープンソースの定義」は、誰に対しても、どんな分野でも制限なく使えることを求めています。AI向けの定義1.0は、さらに4つの自由を挙げています。使う、調べる、変える、共有する、の4つです。そして、学習データの情報、学習と実行のコード、そして重みを、OSIの認める条件で公開することを求めます。
OSIは2025年2月、Llamaのライセンスはオープンソースではないと、あらためて書きました。理由は、特定の人や使い道を差別したり、分野を制限したりしているからです。新しい版では、EUの人を使えなくする制限も加わった、と指摘しています。
Llama 3.1のライセンス本文から、仕事で使うときに関わる条件を拾います。
| 条件 | 内容(Llama 3.1) |
|---|---|
| 月間ユーザー7億人 | 自社と関連会社の製品の月間ユーザーが、2024年7月23日時点の前月に7億人を超えていた場合は、Metaからライセンスを受ける必要がある。Metaは許可しない自由も持つ。 |
| 「Built with Llama」 | Llamaの素材や派生物、それを含む製品を配るときは、関連するWebサイトや画面などに、この表記を目立つように出す。 |
| 名前の付け方 | Llamaやその出力を使って、配布するAIモデルを作ったり改良したりした場合、そのモデルの名前は「Llama」で始める。 |
| 利用規定 | 法令に従い、Metaの利用規定(Acceptable Use Policy)に従う。 |
多くの小さな会社にとって、7億人の条件は関係しません。実際に気をつけるのは、表記の義務と、名前の付け方、そして利用規定です。
Llama 4のライセンスは別の文書です。月間ユーザー7億人を超える企業が別途ライセンスを必要とする点や、「Built with Llama」の表示は、Llama 4でも続きます。加えて、画像も扱うマルチモーダルのモデルでは、EUに拠点のある企業や個人に対する権利が限られます。日本の会社には直接関係しませんが、EUの取引先に納めるシステムでは影響するかもしれません。
ライセンスは、モデルの使い方を決めるものです。モデルが書いた文章や画像が、他人の著作物に似てしまう可能性は、ライセンスとは別の問題として残ります。社外に出す文章は、必ず人が確かめてください。契約や大きな案件に使うときは、専門家に相談すると安全です。
ヒカリちゃんのまとめLlamaは、重みは公開されていても、OSIの定義でいう「オープンソース」ではありません。使う前にライセンスの条件を読むことが、いちばん大事です。
Llamaなどオープンウェイトのモデルの使い方
いま日本で試すなら、方法は大きく2つあります。自分のパソコンで動かす方法と、クラウドのサービス経由で使う方法です。
自分のパソコンで動かす
手順や必要なメモリの目安は、Windows 98の実験の記事にまとめています。ここでは、Llama 3.1に絞って補います。Ollamaのライブラリでは、次の3つの大きさが配られています。
| 名前 | ダウンロードの大きさ | 目安 |
|---|---|---|
| llama3.1:8b | 4.9GB | 普通のパソコンで試せる。「ollama run llama3.1」で起動する。 |
| llama3.1:70b | 43GB | 大きなメモリが要る。個人のパソコンには重い。 |
| llama3.1:405b | 243GB | 個人のパソコンでは現実的ではない。 |
題名になった405Bは、手元で動かすものではありません。仕事で試すなら、まず8Bです。ただし、Llama 3.1は日本語が公式の対応言語に入っていません。日本語の文章を扱うなら、日本語を強化した「Llama 3.1 Swallow」(8Bと70B)も選べます。ライセンスはLlama 3.1のものを引き継ぎ、指示に従う版(Instruct)にはGemmaの利用条件も関わります。
Llamaにこだわらない場合
いまは、商用で使いやすいライセンスのモデルが増えました。事実は、Windows 98の記事に載せたものと同じです。
2025年8月に公開。20bは16GBのメモリで動くと説明されています。
2026年4月に公開。小さいE2B・E4Bは、スマホやラズパイ向けです。
公式ブログで、オープンウェイトのモデルはApache 2.0とされています。
画面を見ながら試すなら、無料で仕事でも使えるLM Studioが向いています。コマンドで動かすならOllamaです。どちらも2026年10月26日に公式ページを確かめました。
Metaの最新モデルを試す場合
Muse Spark Openは、Hugging Faceで重みが配られています。Metaのページは、2台のApple M5 Ultra搭載Mac Studio(それぞれ最大512GBのメモリ)で動かす例を挙げています。TechCrunchはEngadgetを引いて、手元で動かすには最低でも1テラバイトのメモリが要ると伝えています。個人や小さな会社が自分のパソコンで動かすモデルではありません。Metaは、Amazon SageMaker AI、Google Cloud Model Garden、Microsoft Foundry Modelsや、Together AI、OpenRouterなどのAPIで使えると案内しています。Muse Glimmerは、ノートパソコンで動かすことをねらった小型版です。
ヒカリちゃんのまとめまずは小さなモデルをLM StudioかOllamaで試すのが、いちばん手軽です。大きなモデルは、クラウドのサービス経由で使う前提で考えてくださいね。
「オープン」という言葉の読み方:仕事で選ぶときの確認点
Llama 3.1の発表から2年あまりで、Metaは「オープン」の中身を変え続けました。名前はLlamaからMuseに、ライセンスはLlamaのものからMuseのものに変わっています。AIモデルを仕事に取り入れるときは、「オープンと書いてある」ではなく、次の4点を自分で確かめるようにしています。
- ライセンスの名前を見る。Apache 2.0やMITのように広く知られたものか、会社が独自に作ったものか。独自のものは、条件を全部読む。
- 重みを手元に保存する。ダウンロードした版は、提供元が方針を変えても使い続けられる。ただし、そのライセンスの条件は守る。
- 日本語で試す。公式の対応言語に日本語がないモデルもある。自分の文章で、品質を確かめる。
- 乗り換えられる形にしておく。特定のモデル名に業務を寄せすぎず、別のモデルに替えられるようにしておく。
クラウドのAIとの使い分けは、ChatGPTのモデルの違いの記事が参考になります。
ヒカリちゃんのまとめ「オープン」と書かれていても、中身は会社によって違います。ライセンスと日本語の品質を、自分の目で確かめてから選んでくださいね。
Llama 3.1についてよくある質問
Llama 3.1は、いまも使えますか?
使えます。Metaは2026年4月、現在のLlamaモデルは引き続き利用できると述べています。Ollamaなどでも配られています。
Llama 3.1は、日本語に対応していますか?
公式の対応言語8つに、日本語は入っていません。日本語を強化した版として、東京科学大学とAISTのチームによる「Llama 3.1 Swallow」があります。
Llamaは商用で使えますか?
Llama 3.1のライセンスの範囲で使えます。月間ユーザー7億人の条件、「Built with Llama」の表示、名前の付け方、利用規定に注意してください。
Llamaは、オープンソースではないのですか?
OSIは、LlamaのライセンスはOSIの定義を満たさないとしています。重みは公開されているので、「オープンウェイト」と呼ぶのが正確です。
SOURCES
- Meta「Introducing Llama 3.1」(2024年7月23日、2026年10月26日確認) ai.meta.com/blog/meta-llama-3-1
- Meta「Llama 3.1 モデルカード」(2026年10月26日確認) github.com/meta-llama/llama-models(MODEL_CARD)
- Meta「Llama 3.1 Community License」(2024年7月23日付、2026年10月26日確認) github.com/meta-llama/llama-models(LICENSE)
- SD Times「Meta's new Llama 3.1 model competes with GPT-4o and Claude 3.5 Sonnet」(2024年7月) sdtimes.com
- Open Source Initiative「Meta's LLaMa license is still not Open Source」(2025年2月18日、2026年10月26日確認) opensource.org
- Open Source Initiative「The Open Source AI Definition 1.0」(2026年10月26日確認) opensource.org/ai/open-source-ai-definition
- GIGAZINE「OSAID version 1.0 ... Meta's Llama does not meet open source AI standards」(2024年10月30日) gigazine.net
- Meta「The Llama 4 herd」(2025年4月5日、2026年10月26日確認) ai.meta.com/blog/llama-4-multimodal-intelligence
- The Decoder「Meta releases first multimodal Llama 4 models, leaves EU out in the cold」(2025年4月) the-decoder.com
- VentureBeat「Goodbye, Llama? Meta launches new proprietary AI model Muse Spark」(2026年4月8日) venturebeat.com
- DeepLearning.AI「With Muse Spark, Meta pivots away from its open-weights Llama strategy」(2026年4月17日) deeplearning.ai
- Yahoo Finance「Meta launches new open-weight AI models ...」(2026年8月11日) finance.yahoo.com
- Meta Research「Introducing Muse Spark Open」(2026年10月15日、2026年10月26日確認) research.meta.ai/blog/muse-spark-open
- TechCrunch「Meta launches an open-weight model that runs on Macs」(2026年10月15日) techcrunch.com
- Ollama「llama3.1」ライブラリ(2026年10月26日確認) ollama.com/library/llama3.1
- Swallow LLM「Llama 3.1 Swallow」(2026年10月26日確認) swallow-llm.github.io
- Impress Watch「OpenAI、オープンウェイトのAIモデル「gpt-oss」を公開」(2025年8月6日) watch.impress.co.jp/docs/news/2037179.html
- 9to5Google「Google Gemma 4」(2026年4月2日) 9to5google.com
- Qwen「Qwen3」公式ブログ qwenlm.github.io/blog/qwen3
- LM Studio「LM Studio is free for use at work」(2025年7月8日) lmstudio.ai/blog/free-for-work
「HowtoAI」は、2024年から multifverse.com で続けてきたAI活用の解説シリーズです。社名があたたかいデジタル(ATATAKAI Digital)に変わったことにともない、2026年10月からはこのブログの一つのカテゴリーとして続けていきます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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最終更新 2026年10月26日