制作会社と連絡が取れないとき、ホームページを取り戻す順番
ホームページを作った会社と連絡が取れなくなったら。ドメインの名義と有効期限の確かめ方、待つあいだに残すもの、ドメイン・サーバー・WordPressを取り戻す順番と、最後まで連絡がないときの相談窓口をまとめました。

PHPフリー · Webセキュリティ · ガイド
?こんな方におすすめです
- ホームページを作った会社と、何週間も電話やメールがつながらない方
- 知り合いの紹介で頼んだ会社なので、どこまでしていいのか迷っている方
- PHPのニュースで確かめることができたのに、管理画面に入れない方
!この記事でわかること
- いちばん先に確かめること:ドメインの名義と有効期限
- 待つあいだに残しておくことと、自分たちでできること
- 名義人の協力や相談窓口が必要なことと、その窓口

家の鍵をなくしても、住所が自分の名義なら、もう一度始められます。
ホームページには住所と家があります。住所はドメインで、家はサーバーです。家の鍵をなくしても、住所が自分の名義なら、新しい家を建てて同じ住所で手紙を受け取れます。でも、住所まで他人の名義なら、手紙はその人に届きます。
だから、制作会社と連絡が取れなくなったとき、いちばん先に見るのは住所、つまりドメインです。この記事は制作会社を責める記事ではありません。事情があるのかもしれません。ただ、待つあいだにも、こちらでできることがあります。
連絡が取れなくなったら、何から確かめるのか?
ドメインが誰の名義で、いつ期限が切れるのかを先に確かめます。連絡がつくのを待つあいだにも、有効期限は近づいてくるからです。
人には、今の状態をそのままにしておこうとするくせがあります。心理学では現状維持バイアスと呼びます。選択肢がいくつあっても、そのひとつが「今の状態」として示されると、それを選ぶ人がずっと多くなるという研究があります。1 「もう少し待ってみよう」と思うのは自然なことです。けれども、ドメインは待ってくれません。.comのようなドメインでは、期限の約1か月前と約1週間前に、登録者のメールへ更新の知らせが届きます。期限が切れると、削除される前の少なくとも8日間はサイトが止まり、削除されたあとに取り戻せる期間は30日です。2 その知らせが連絡の取れない制作会社のメールに届いているなら、誰も更新しないかもしれません。
- 自分たちで:ドメインの名義と有効期限を確かめる、連絡の記録、今見えるページの保存、契約書探し
- 名義人の協力が必要:他人の名義のドメインやサーバーのアカウントを自社の名義に移す
- 相談窓口が必要:最後まで連絡がつかない、もめごとになったとき
できることから始めれば、待つ時間が準備の時間に変わります。

ヤンのまとめ連絡を待つことと、有効期限を確かめることは同時にできます。待つことが放置にならないよう、まずカレンダーに有効期限を書いてください。
待つあいだに、何を残しておくのか?
連絡した記録、今見えているホームページの中身、契約書と領収書の3つを集めておきます。3つとも自分たちでできて、あとでどの道に進んでも役に立ちます。
- 連絡の記録:いつ、どの方法(電話・メール・LINE・ショートメール)で連絡し、返事があったかを日付順に書きます。メールやメッセージは画面を保存しておきます。
- 今見えているホームページ:ホームページがまだ開くなら、ページごとに文章と写真を保存しておきます。サーバーを取り戻せず作り直すとき、これが設計図になります。
- 契約書と領収書:制作の契約書、保守の契約書、ドメインやサーバーの料金を誰が払ってきたかがわかるカードの明細や口座の記録を探します。
連絡は丁寧に、もう一度残しておきます。たとえば、こうです。「お忙しいところ恐れ入ります。弊社ホームページのドメインとサーバーを、今後は弊社で管理したいと考えております。ドメインとサーバーのアカウントを弊社名義に移すことにご協力いただけますでしょうか。〇月〇日までにお返事をいただけますと幸いです。」責める言葉は入れず、日付だけをはっきり書きます。

ヤンのまとめ知り合いの紹介の会社ほど、言葉に気をつかいます。それでも、日付を書いた丁寧なお願いは、関係を壊しません。
ドメインを自社の名義にするには、どうするのか?
ドメインがすでに自社の名義なら、自分たちで更新したり、管理する会社を移したりできます。制作会社の名義やアカウントにあるなら、相手の協力が必要なので、連絡がつく瞬間を逃さないことが大切です。
- co.jpのドメイン:co.jpは日本で登記した会社だけが、1つの組織につき1つ登録できるドメインで、申請は組織の代表者がします。4 つまり、名義は御社自身です。WHOISで、登録担当者と技術連絡担当者に誰の名前が入っているかを見ておきます。
- .jpのドメイン:登録者を変えることを、JPRSの規則では「移転」と呼び、今の登録者と新しい登録者の合意が必要です。5 管理する会社を移すには、今の会社から認証コード(AuthCode)を受け取ります。認証コードは発行から35日後まで有効です。6
- .comなどのドメイン:国際的な規則(ICANN)は、登録会社が求められてから5日以内に移管用の認証コードを渡すよう定めています。ただし、登録者の名前やメールを変えてから60日間は、ほかの登録会社に移せません。7
- 制作会社のアカウントにあるドメイン:お名前.comでは、別のお名前IDに移す「お名前IDの付け替え」を、今の管理ID側で行います。8 ムームードメインの譲渡も、今の契約者と新しい契約者の双方の手続きが必要で、3日以内に承認しないと取り消されます。9 ほかの会社でも、サポートに事情をそのまま伝えて、必要な書類を聞いてください。
譲渡元(現在の契約者)・譲渡先(新しい契約者)の双方で手続きを行う必要があります。 — ムームードメイン 「ドメインの譲渡方法」より

ヤンのまとめ住所が他人の名義なら、自分の店の看板でも勝手には動かせません。だから連絡がつく日、いちばん先にお願いするのはドメインの名義です。
サーバーとWordPressの管理者は、どう取り戻すのか?
サーバーは契約者が誰か、WordPressは管理者のメールが誰のものかが分かれ道です。料金を自社が払っているなら、まずサーバー会社に契約者を確かめます。
サーバーの料金が自社のカードや口座から出ているなら、その記録を持って、サーバー会社に契約者が誰かを聞きます。契約者が自社なら、サーバー会社の手順で管理画面に入り直せます。契約者が制作会社なら、ドメインと同じく相手の協力が必要です。エックスサーバーでは、契約を第三者に譲るときに、今の契約者の印鑑証明書(発行から3か月以内)が必要で、書類の用意が難しい場合はサポートに相談するよう案内しています。10 さくらのレンタルサーバも、譲る側と譲り受ける側の双方が同意して手続きします。11 制作会社が廃業している場合の扱いは、両社の公式の案内では見つけられませんでした。サポートに直接聞いてください。
WordPressの管理者のパスワードは、ログイン画面の「パスワードをお忘れですか ?」から、管理者アカウントに登録されたメールで決め直すのがいちばん簡単です。12 そのメールが制作会社のものなら、ほかの方法はどれもサーバーやデータベースに入れることが前提になります。だから順番は、いつもサーバーが先です。

ヤンのまとめ家の中の部屋の鍵(WordPress)は、玄関の鍵(サーバー)があってはじめて作り直せます。順番を逆にすると、時間がかかるだけです。
最後まで連絡がつかなければ、どうするのか?
相談窓口に、2章で集めた記録と契約書を持っていきます。ドメインの紛争処理という手続きもありますが、使える条件がかぎられています。この記事は法的な判断はしません。
.jpのドメインには、JPドメイン名紛争処理方針という手続きがあり、日本知的財産仲裁センターが扱います。申し立てから裁定まで約2か月で、13 手数料はパネリスト1名で180,000円(税別、2026年10月25日時点)です。14 ただし申し立ての条件のひとつに「不正の目的」で登録・使用されていることがあるので、制作会社と連絡がつかないだけの場合には合わないことがあります。
ホームページのデザインやプログラムが誰のものかは、契約書の中身によって変わります。
- 著作権情報センター(CRIC):「著作権テレホンガイド」(03-5333-0393、平日)で無料の相談を受けています。ただし、すでに紛争になっている具体的な事案には応じていません。15
- よろず支援拠点:国が設置した中小企業・小規模事業者のための窓口で、経営のあらゆる相談に何度でも無料で応じています。16
- 法テラス・サポートダイヤル:0570-078374で、問題に合った相談先を案内しています(利用料0円)。ただし無料の法律相談は収入などの基準を満たす個人が対象で、法人は対象に含まれません。17
別の道もあります。ドメインさえ自社の名義なら、サーバーを取り戻せなくても、2章で保存した中身で新しい家を建てて、同じ住所に掛けられます。このときは古いサーバーを使わないので、毎年PHPのバージョンを上げなければならない仕組みから抜け出すきっかけにもなります。

ヤンのまとめ取り戻す道がふさがれたら、建て直す道があります。住所さえ守っていれば、建て直すことは思ったほど怖くありません。
二度とこうならないために、何をしておくのか?
取り戻したら、ドメイン・サーバー・WordPress・メール・DNSが誰の名義かを表1枚に書き、新しく結ぶ契約書には名義と引き継ぐものを書いておきます。
| 契約のときに書いておくこと | なぜ必要か |
|---|---|
| ドメイン・サーバーは自社の名義で契約 | 制作会社と連絡が取れなくなっても、住所と家を守れる |
| 登録者の連絡先は自社のメール・電話 | 更新の知らせと認証コードが自社に届く |
| WordPressの管理者アカウントのひとつは自社のメールで | パスワードを自分たちで決め直せる |
| 契約が終わるときに引き継ぐもの(ファイル・データベース・アカウントの一覧) | 制作会社を替えるときのもめごとを減らす |
| デザイン・プログラムの権利を誰が持つか | あとで移したり直したりするときの基準になる |
表の整理のしかたは、チェックリスト編「社長が握っておくべきホームページの鍵5本」に、表の形と一緒にまとめています。すべての欄が自社の名前で、連絡のつく人が管理しているなら、それで十分です。

ヤンのまとめいい会社との契約ほど、「終わるとき」を書いておきます。終わりを決めておくのは疑いではなく、お互いを守ることです。
制作会社と連絡が取れないときのホームページの取り戻し方について、よくある質問
ドメインが制作会社の名義なら、こちらでは変えられませんか?
ひとりでは難しいです。名義の変更には、今の名義人との合意や手続きが必要だからです。最後まで連絡がつかなければ、管理している会社に事情を説明し、必要なら相談窓口に記録と契約書を持っていってください。
制作会社が廃業していたら、どうなりますか?
扱いは会社によって違い、公式の案内では確かめられませんでした。エックスサーバーは、書類の用意が難しい場合はサポートに相談するよう案内しています。ドメインの管理会社とサーバー会社に、それぞれ聞いてみてください。
サーバーを最後まで取り戻せなければ、ホームページを一から作り直すのですか?
ドメインが自社の名義なら、保存しておいた文章と写真で新しく建てて、同じ住所に掛けられます。前とまったく同じ見た目でなくてもいいなら、作り直す仕事の大きさはそのぶん小さくなります。
SOURCES
- Wikipedia 「Status quo bias」(Samuelson & Zeckhauser 1988, Journal of Risk and Uncertainty の研究を紹介、2026年10月25日確認) wikipedia.org
- ICANN 「Expired Registration Recovery Policy」(2024年2月21日更新版) icann.org
- JPRS 「JPRS WHOISで確認できること」「JPRS WHOIS検索結果の表示例」(日付の表記なし) jprs.jp
- JPRS 「属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名登録等に関する規則」(2025年10月30日改訂、2026年1月7日実施) jprs.jp
- JPRS 「汎用JPドメイン名登録等に関する規則」(2022年9月6日改訂) jprs.jp
- JPRS 「ドメイン名の管理指定事業者の変更」(日付の表記なし) jprs.jp
- ICANN 「FAQs for Registrants: Transferring Your Domain Name」(日付の表記なし) icann.org
- お名前.com 「お名前ID付け替え」Naviガイド(日付の表記なし) onamae.com
- ムームードメイン ヘルプセンター 「ドメインの譲渡方法」(日付の表記なし) muumuu-domain.com
- エックスサーバー 「第三者にご契約を譲渡する場合」マニュアル(日付の表記なし) xserver.ne.jp
- さくらインターネット 「サービスの譲渡をしたい」(日付の表記なし) help.sakura.ad.jp
- WordPress.org 日本語 「パスワードのリセット」(日付の表記なし) ja.wordpress.org
- JPRS 「JPドメイン名紛争処理方針」(日付の表記なし) jprs.jp
- 日本知的財産仲裁センター 「JPドメイン名紛争処理にかかる費用」(日付の表記なし) ip-adr.gr.jp
- 著作権情報センター(CRIC) 「相談室・資料室」(日付の表記なし) cric.or.jp
- 中小企業基盤整備機構 「よろず支援拠点全国本部」(日付の表記なし) yorozu.smrj.go.jp
- 法テラス 「お電話でのお問合せ(法テラス・サポートダイヤル)」「無料法律相談に関するよくあるご質問」(日付の表記なし) houterasu.or.jp
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- 社長が握っておくべきホームページの鍵5本
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最終更新 2026年10月26日

