グローバルAIランキング、日本はいま何位?|2026年の答え合わせ
スタンフォード大学HAIのグローバルAIランキングで、日本は最新の2025年版でも9位でした。インフラが強く政策と研究開発が弱いという分野別の姿、2024年の記事の答え合わせ、AI法の施行など国の動きと、会社でいまできることをまとめます。

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?この記事はこんな方に
- 「グローバルAIランキング 日本」などで、日本のAIの順位を調べている方
- 2024年に報じられた「日本は9位」が、いまも同じなのか確かめたい方
- 社内の資料や朝礼で、日本のAIの現状をひとことで説明したい方
!この記事でわかること
- 最新版のランキングで日本は何位か、どの分野が強くて弱いか
- 2024年の記事で書いたことの答え合わせ
- AI法の施行など国の動きと、会社でいまできること

こんにちは、ヒカリです。
2024年11月、スタンフォード大学のグローバルAIランキングで「日本は9位」と紹介しました。この記事では、そのあと出た最新版で日本が何位だったのか、2024年の記事は何が当たって何が外れたのかを、順番に確かめていきます。最後に、ランキングのニュースを自分の会社の行動につなげる方法もまとめますね。
2024年に報じられた「グローバルAIランキングで日本9位」
2024年11月21日、米スタンフォード大学の人間中心AI研究所(HAI)が、国ごとのAIの活力をくらべる「Global AI Vibrancy Tool(グローバルAI活力ツール)」を公開しました。36か国を42の指標で評価し、1位は米国、2位は中国、3位は英国でした。日本は9位です。
私たちは2024年11月の記事で、この結果を分野ごとに紹介しました。当時の評価は8つの分野(柱)に分かれていて、日本の順位は次のとおりでした。
ほかに、研究開発は8位、経済は11位、教育は23位でした。記事は「インフラは世界トップクラス。研究開発、政策、教育、多様性に課題がある」とまとめ、研究投資や政策の強化といった国の施策を「解決策」として並べていました。
ヒカリちゃんのまとめ2024年の「日本9位」は、2023年のデータをもとにした順位でした。インフラは強く、研究開発や政策は弱い、というのが当時の見立てです。
最新のグローバルAIランキングで、日本は何位か
HAIは2025年11月24日、ランキングの2025年版を公開しました。2024年までのデータを使い、評価する国は同じ36か国です。一方で、分野は8つから7つに整理され(教育と多様性は「人材」にまとまりました)、順位づけに使う指標も42から23に絞られています。
2025年版でも、日本は9位でした。上位10か国は次のとおりです。
| 順位 | 国 | 総合スコア |
|---|---|---|
| 1 | 米国 | 78.60 |
| 2 | 中国 | 36.95 |
| 3 | インド | 21.59 |
| 4 | 韓国 | 17.24 |
| 5 | 英国 | 16.64 |
| 6 | シンガポール | 16.43 |
| 7 | スペイン | 16.37 |
| 8 | アラブ首長国連邦 | 16.06 |
| 9 | 日本 | 16.04 |
| 10 | カナダ | 15.56 |
HAIのリリースノートは、米国と中国の差が41.7点あるのに対し、5位の英国と20位のポルトガルの差は4.6点しかないと書いています。日本と8位のアラブ首長国連邦の差は0.02点です。3位以下は、少しの変化で順位が入れ替わる団子状態だと考えたほうが実態に近いでしょう。
分野ごとに見ると、日本の順位は次のようになります。
| 分野(柱) | 日本の順位 | おもな中身 |
|---|---|---|
| インフラ | 4位 | スパコンの台数は34台で4位、計算能力の合計は米国に次ぐ2位 |
| 責任あるAI | 8位 | 安全性や公平性などをテーマにした主要学会への投稿数 |
| 研究開発 | 10位 | 2024年の「注目すべきAIモデル」は0件。論文数3,537件、特許3,840件 |
| 経済 | 10位 | AIスタートアップへの民間投資は約9.3億ドル、新たに資金を得た企業は42社 |
| 世論 | 10位 | SNSでのAIの話題の量と、その受け止め方 |
| 人材 | 18位 | AI人材の採用や集まり具合など(日本は公開データの多くが空欄) |
| 政策・ガバナンス | 24位 | 2022〜2024年に成立したAI関連法は0件 |
ヒカリちゃんのまとめ最新版でも日本は9位で、インフラが強く、政策と研究開発が弱いという形も変わっていません。ただ、3位から下は点数の差がとても小さいので、順位だけで一喜一憂しなくて大丈夫です。
2024年11月から2026年10月まで:日本のAIの年表
ランキングが出たあと、日本では国のAI政策が大きく動きました。おもな出来事を並べます。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年11月21日 | スタンフォード大学HAIがグローバルAI活力ツールを公開。日本は36か国中9位。 |
| 2025年5月28日 | 「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI法)が成立。 |
| 2025年6月4日 | AI法が公布され、一部が施行される。 |
| 2025年9月1日 | AI法が全面施行。首相を本部長とする人工知能戦略本部が内閣に置かれ、AI戦略担当大臣に城内実氏が任命される。 |
| 2025年11月24日 | HAIがランキングの2025年版を公開。日本は9位。 |
| 2025年12月19日 | 人工知能戦略本部が「AIの適正性確保に関する指針」を決定。 |
| 2025年12月23日 | AI法にもとづく初めての「人工知能基本計画」を閣議決定。 |
| 2026年3月 | 総務省・経済産業省が「AI事業者ガイドライン」を第1.2版に改定。 |
| 2026年 | HAIが「AI Index 2026」を公開。日本のAI法は、2025年に各国で成立したAIの法律の一つとして紹介された。 |
| 2026年7月14日 | 「第Ⅱ期 人工知能基本計画」を閣議決定。エージェント型AIへの対応や、AIを前提に仕事を見直す「AX(AIトランスフォーメーション)」を掲げる。 |
| 2026年7月24日 | 総務省が令和8年版「情報通信白書」を公表。生成AIを使ったことがある人の割合が、日本で58.8%に上がったと報告。 |
HAIは、ランキングの次の版をまだ公開していません(2026年10月26日確認)。AI Index 2026の本文には、国別のAIモデルのくわしいデータは、今後のGlobal Vibrancy Toolで公開すると書かれています。
ヒカリちゃんのまとめ2024年の記事で「遅れている」と書いた法律づくりは、2025年に一気に進みました。でも、2025年版のランキングは2024年までのデータなので、その変化はまだ順位に入っていないんです。
2024年の記事の答え合わせ
2024年11月の記事で書いたことが、いまから見てどうだったかを確かめます。
| 当時書いたこと | いま振り返ると | 判定 |
|---|---|---|
| 日本はグローバルAIランキングで総合9位 | 2025年版でも9位。ただし指標と分野の分け方が変わったので、同じ物差しでの「据え置き」ではない。 | 当時は正確 |
| インフラは世界3位で、日本のAIの強み | 2025年版は4位。スパコンの台数と計算能力は引き続き上位で、強みであることは変わらない。 | 当たり |
| 研究開発は8位。論文の質と量に課題 | 2025年版は10位に下がった。2024年の注目AIモデルは0件だった(AI Index 2026の2025年のグラフは米国・中国・欧州だけを示しており、日本の件数は載っていない)。 | 当たり |
| 政策は17位。AI関連法の成立が他国より遅い | 指摘は当時のデータどおり。その後、2025年にAI法が成立し、基本計画も2回つくられた。ランキングに表れるのはこれから。 | 半分当たり |
| AIへの民間投資は拡大傾向 | 2024年は約9.3億ドル、2025年は11.1億ドル(14位)と伸びた。ただ、米国の2,859億ドルとはけた違いの差がある。 | 当たり |
| 教育は23位、多様性は0点で低評価 | 2025年版では「人材」にまとめられ、比べ方が変わった。AI Index 2026では、論文の著者や発明者として特定された日本のAI人材の8割以上が男性とされている。 | 半分当たり |
| 課題を改善すれば、さらに順位が上がる | 順位は9位のまま。政策は動いたが、研究開発の順位は下がった。 | 外れ |
いちばんの見落としは、読んだ人が自分の会社で何をすればいいかを書かなかったことです。
当時の記事の「解決策」は、研究への助成や法整備など、国がすることばかりでした。順位の数字は正確に伝えましたが、読者が明日からできることには触れていませんでした。この記事の最後の章で、その分を補います。
ヒカリちゃんのまとめ数字と「強み・弱み」の見立ては、おおむね当たっていました。外れたのは「これから順位が上がる」という期待で、抜けていたのは読者の行動につなげる視点です。
AI法と白書から見る、日本のAIのいま
ランキングの外でも、日本のAIの現状を示す資料が増えました。会社の目線で押さえておきたいものを3つ紹介します。
1. AI法は「推進」のための法律です。内閣府の概要によると、AI法の目的は国民生活の向上と経済の発展で、「最もAIを開発・活用しやすい国へ」を掲げています。中身は、AI戦略本部の設置、AI基本計画の策定、研究開発や人材育成の推進、指針の整備、事業者への指導・助言などです。事業者には、国などの施策に協力する責務が定められています。概要には、違反した場合の罰則は書かれていません。
2. 第Ⅱ期の基本計画は「AX」と中小企業を名指ししています。2026年7月の計画の概要は、AIを前提に意思決定や仕事の進め方を見直す「AX」を進めるとし、中小企業や地方を含めたAXの推進を施策に挙げています。知的財産の保護と利活用につながる透明性の確保も、検討する項目に入っています。
3. 使う人は増えたが、会社としての取り組みに差があります。令和8年版の情報通信白書の数字です。
白書によると、「組織的な取組はない」と答えた割合は、米国・ドイツ・中国より目立って高く、とくに中小企業で高い傾向がありました。生成AIを積極的に、または範囲を決めて使う方針の企業は、大企業で74.0%、中小企業で58.1%です。日本で使われている業務は「議事録・メール作成補助」が約7割と最も多く、効果を実感している割合も約7割でした。
ヒカリちゃんのまとめ国のルールは「規制」より「後押し」の形で整いました。いま日本で差が出ているのは、個人が使うかどうかより、会社として取り組んでいるかどうかのほうです。
ランキングのニュースを、会社の次の一歩にするには
国の順位は、私たちが明日すぐに変えられるものではありません。けれど、白書で差が出ていた「会社としての取り組み」は、小さな会社でも今日から始められます。私たちがおすすめしている順番です。
- 効果の出やすい業務から始める。白書で利用も実感も多かった議事録やメールの下書きから試すと、社内で成果を共有しやすくなります。
- 社内ルールを1枚にまとめる。経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」には、チェックリストとワークシートが付いています。全部を読む必要はなく、自社に当てはまる項目だけ拾えば十分です。
- 入れてはいけない情報を決める。個人情報や取引先の機密を、どのAIに入れてよいかを先に決めておきます。
- 作ったものの権利を確かめる。AIで作った文章や画像を社外に出す前に、既存の作品や他社のロゴに似ていないかを人の目で確かめます。基本計画でも、知的財産の扱いは引き続き検討する課題とされています。
- 担当者と目標を決める。白書は、中小企業では経営幹部が各部署に実施事項や目標を示すことが最も多い取り組みだったとしています。社長が「まずこの業務で使う」と決めるだけでも前に進みます。
どのツールから試すか迷ったら、生成AIの比較記事や、無料で始められるCopilotの使い方も参考にしてください。
これからランキングのニュースを読むときは、「何年のデータか」「指標や分野の分け方が前の版と同じか」「誰が作ったランキングか」の3点を確かめると、順位の上下に振り回されにくくなります。
ヒカリちゃんのまとめ国の順位は「日本全体の平均」です。自分の会社の位置は、使う業務とルールと担当者を決めることで、今日から変えられますよ。
グローバルAIランキングと日本についてよくある質問
日本のAIは、いま世界で何位ですか?
スタンフォード大学HAIの2025年版(2024年のデータ、36か国)で9位です。英Tortoise MediaのGlobal AI Indexでは11位と報じられています。どちらも、何年のデータかを確かめて読むのがおすすめです。
日本のAIの強みと弱みは何ですか?
HAIのデータでは、スパコンや計算能力などのインフラが強みです。弱いのは、AI関連の法律の数で測る政策と、注目されるAIモデルが少ない研究開発です。
AI法ができて、会社がしなければならないことはありますか?
AI法は推進のための法律で、内閣府の概要には罰則は書かれていません。事業者には国の施策に協力する責務があります。実務では、AI事業者ガイドラインや、内閣府の「AIの適正性確保に関する指針」を参考に社内ルールを決めるのが近道です。
次のランキングはいつ出ますか?
2026年10月26日の時点で、次の版はまだ公開されていません。HAIは「AI Index 2026」の中で、Global AI Vibrancy Toolを2026年末までに更新するとしています。これまでは2024年11月、2025年11月に公開されています。これまでは2024年11月、2025年11月に公開されています。
SOURCES
- Stanford HAI「Global AI Power Rankings: Stanford HAI Tool Ranks 36 Countries in AI」(2024年11月21日) hai.stanford.edu/news
- Stanford HAI「The Global AI Vibrancy Tool 2025」(2025年11月24日) hai.stanford.edu/research
- Stanford HAI「Global AI Vibrancy Tool 2025 Release Notes」(2025年11月) drive.google.com(PDF)
- Stanford HAI「Global AI Vibrancy Tool」公開データ full_data_09.24.25.csv(2026年10月26日確認) hai.stanford.edu/ai-index/global-vibrancy-tool
- Stanford HAI「The 2026 AI Index Report」(2026年) hai.stanford.edu/ai-index/2026-ai-index-report
- Business Insider Japan「日本は万年10位…AI国別ランキングで指摘された『矛盾した国民性』と『意外な強み』」(2025年8月6日) businessinsider.jp
- 内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)の概要」(2026年10月26日確認) www8.cao.go.jp(PDF)
- 内閣府「人工知能戦略本部の設置等について」(2025年9月1日) www8.cao.go.jp/cstp/stmain/20250901ai.html
- 内閣府「AI戦略 過去のトピックス一覧」(2026年10月26日確認) www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_topics
- 内閣府「人工知能基本計画」(2025年12月23日・2026年7月14日閣議決定、2026年10月26日確認) www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_plan
- 内閣府「第Ⅱ期人工知能基本計画(概要)」(2026年7月14日) www8.cao.go.jp(PDF)
- 内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の適正性確保に関する指針」(2025年12月19日本部決定) www8.cao.go.jp/cstp/ai/ai_guideline
- 経済産業省「AI事業者ガイドライン」第1.2版(2026年10月26日確認) meti.go.jp
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」個人における生成AIサービスの利用経験(2026年10月26日確認) soumu.go.jp
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」生成AIの活用方針等・組織的な取組状況・業務利用状況(2026年10月26日確認) soumu.go.jp
- INTERNET Watch「令和8年版情報通信白書」の紹介記事(2026年7月27日) internet.watch.impress.co.jp
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」企業の生成AIの活用方針(2026年10月26日確認) soumu.go.jp
- 総務省「令和8年版 情報通信白書」生成AIの業務利用状況(2026年10月26日確認) soumu.go.jp
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最終更新 2026年10月26日