DeepMind「V2A」のその後|動画に音声をつける方法
2024年6月に発表された、動画に音声を自動でつける研究「V2A」のその後を答え合わせします。2026年10月のいま、Gemini・Flow・Flow Musicで動画に音をつける方法、料金、SynthIDと権利の注意をまとめました。

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?この記事はこんな方に
- 「V2A」や「動画に音声を自動生成」で検索して、いま何が使えるのか知りたい方
- 商品紹介や社内向けの動画に、効果音やBGMを手早くつけたい方
- AIで作った音や動画を、仕事で公開してよいのか気になっている方
!この記事でわかること
- V2Aが何だったのか、その後どこへ行ったのか
- 2024年の記事で、何が当たり、何が違っていたか
- いま日本から動画に音をつける方法と、料金・SynthID・権利の注意

こんにちは、ヒカリです。
2024年に私たちが紹介した「V2A」は、動画に合わせて音を自動で作る、Googleの研究でした。この記事では、V2Aがその後どうなったのか、いま動画に音をつけるにはどうすればいいのかを、順番に一緒に見ていきますね。料金と、作ったものを仕事で使うときの注意もあとでお伝えします。
V2Aとは何だったのか
2024年6月17日、Google DeepMindは「V2A(Video-to-Audio)」を発表しました。動画の映像と、短い文章の指示を入力すると、それに合った効果音、音楽、会話を作る技術です。映像だけを作る動画生成AIに、音をつける役目を想定していました。
私たちは2024年6月、この発表をニュースとして紹介しました。当時の公式ブログで確かめられる内容は次のとおりです。
- 映像のピクセルと、任意の文章の指示から音を作る。拡散モデルを使う。
- 動画生成AI「Veo」の動画に合わせるほか、古い記録映像や無声映画に音をつける使い方も想定されていた。
- 一般公開ではなく研究段階で、公開前に安全性の評価とテストを行うとされた。
- 弱点として、映像に乱れがあると音の質が下がること、口の動きと音声が合いにくいことが挙げられた。
- V2Aが作る音には、SynthIDという電子透かしが入る。
ヒカリちゃんのまとめV2Aは、発表の時点では「使える製品」ではなく研究でした。映像に合わせて音を作る、という考え方がそのあと広がっていきます。
V2Aのその後:2024年から2026年まで
結論から言うと、「V2A」という名前の単独のツールは、公式ページでは確認できませんでした。ただ、動画に音をつけるという目的は、別の形で製品になっています。動画生成AIが、映像と音を一緒に作るようになったためです。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年6月 | DeepMindがV2Aを研究として発表。 |
| 2025年5月 | Googleが動画生成AI「Veo 3」とAI映像制作ツール「Flow」を発表。Veo 3は、環境音や人物のセリフも映像と一緒に作れる。日本では5月下旬に、Geminiの有料プラン「Google AI Pro」で使えるようになったと報じられた(最初はパソコン版のGeminiのみ)。 |
| 2025年7月 | Flowで、最初の画像から作る動画に、音声(セリフ)を加えられるようになる。音声の生成は「実験的」と案内された。 |
| 2025年10月 | 「Veo 3.1」を発表。会話から効果音まで、音を含む動画を作れる。GeminiアプリとFlowで使える。 |
| 2026年2月 | Geminiアプリの音楽生成に「Lyria 3」が入り、曲を作れるようになる。 |
| 2026年5月 | Google I/Oで「Gemini Omni」を発表。最初のモデル「Omni Flash」で、動画を会話で編集でき、音も生成できる。GeminiアプリとFlowの有料プランで順次提供。 |
| 2026年7月 | 音楽モデル「Lyria 3.5」がFlow Musicに入る。 |
| 2026年10月22日 | 開発者向けのGemini APIで、Veo 3.1のプレビュー版が提供終了。後継としてOmni Flashへの移行が案内された。 |
つまり、V2Aが目指した「映像に合った音」は、いまは「映像と音を同時に作る」という形で実現しています。映像を先に作ってから音をつける、というV2Aの流れとは違います。
ヒカリちゃんのまとめV2Aという名前は表に出てきませんでしたが、動画に音がつくことは、いまのGoogleのAIでは当たり前の機能になりました。
2024年の記事の答え合わせ
2024年の記事は、公式ブログの内容をまとめた短いニュースでした。書いたことを、いまから見てどうだったか確かめます。
| 当時書いたこと | いま振り返ると | 判定 |
|---|---|---|
| V2Aは映像と指示から、音楽・効果音・会話を生成する | 発表の内容どおり。Veo 3以降は、音を映像と一緒に作る形で一般向けに広がった。 | 当時は正確 |
| 多くの動画生成AIは映像だけで、音を同期できない | Veo 3(2025年5月)以降、Googleの動画生成AIは音つきが基本になった。 | いまは違う |
| すぐに一般公開する予定はない | V2Aという名前では公開された形跡を確認できない。ただ、同じ目的の機能は1年以内に製品に入った。 | 半分当たり |
| 高品質な音声生成にはまだ至っていない | Flowの案内(2025年7月)では、Flowの音声生成は「実験的」とされていました。いまのGemini APIの案内では、英語は十分に対応、ほかの言語は未評価で、結果が変わることがあるとされています。Flowのヘルプでは、音の質が低いと動画が作られず、クレジットが戻る場合があるとされています。 | 半分当たり |
| 「動画制作の未来」になる | 動画に音をつける作業は、確かに変わった。ただ、手持ちの動画に音を足せるかは確認できていない(次の章)。 | 半分当たり |
いちばんの見落としは、読者が「自分の動画に使えるのか」を書かなかったことです。
当時の記事は、日本の読者がいつ・どのプランで・どんな条件で使えるのか、作った音の権利はどうなるのか、に触れていませんでした。研究の発表だったので当然ではありますが、検索して来る方が知りたいのは、そこだったはずです。
ヒカリちゃんのまとめ発表した内容そのものは正確でした。ただ「使えるのか」「権利はどうか」という、読む方がいちばん知りたいことが抜けていました。
いまの使い方:動画に音声をつける
いま、GoogleのAIで動画に音をつける方法は2つに分けて考えると整理しやすくなります。
文章や写真から、効果音やセリフが入った短い動画を作ります。音は映像と一緒に生成されます。
動画の雰囲気に合う曲を別に作り、手持ちの動画編集ソフトで重ねます。
V2Aが想定した使い方です。Googleの案内からは、専用の機能を確認できませんでした。
まず、音つきの動画を作る手順です。公式の案内と、2025年5月に日本で試したGizmodo Japanの記事をもとにしています。画面の文言は変わることがあります。
- プランを確かめる。動画の生成は、Google AIの有料プラン(Plus・Pro・Ultra)が中心です。Flowのヘルプには、プランに入っていなくても毎日50クレジットが付くとありますが、混み合う時間帯(日本時間の夜11時ごろ〜深夜2時ごろ)は、無料では動画を作れないことがあります。ヘルプによっては有料プランへの加入が条件とも書かれているため、無料で試せるかは画面で確かめてください。
- Geminiアプリか、Flowを開く。Geminiアプリでは、入力欄の下にある「動画」のボタンを選びます。Flowは flow.google.com から入ります。
- 映像と音を、文章で分けて書く。たとえば「雨上がりの商店街を歩く人。足音と、遠くの電車の音。BGMなし」のように、何が映り、どんな音が欲しいかを書きます。
- できた動画を確認し、必要なら作り直す。数十秒から数分ほどかかります(混み合う時間帯は長くなります)。音がおかしいときは、音の指示を変えて、もう一度作ります。
- ダウンロードして保存する。APIで作った動画は2日で消えるとされています。アプリやFlowでも、必要なものは早めに保存しておくと安心です。
BGMだけ欲しい場合は、MusicFXの記事で書いたとおり、いまはGoogle Flow Musicが後継です。作った曲を動画編集ソフトで映像に重ねます。写真から動画を作る流れは、Whiskの記事や、Haiperの記事も参考になります。
ヒカリちゃんのまとめいまは、動画に音を「あとからつける」より、音つきの動画を「最初から作る」のが基本です。音の指示を映像の指示と分けて書くと、イメージに近づきやすくなります。
料金と、SynthID・権利の注意
日本の公式ページ(Google AIのプランと料金)で、2026年10月26日に確認したプランは次のとおりです。FlowのクレジットはFlowのヘルプで確認しました。
| プラン | 月額 | Flowのクレジット(月) |
|---|---|---|
| プランなし | 0円 | 1日50クレジット |
| Google AI Plus | 725円 | 200 |
| Google AI Pro | 2,900円 | 1,000 |
| Google AI Ultra | 14,500円から(上位は32,000円) | 10,000(上位は25,000) |
1本の動画に使うクレジットは、モデルで変わります。Flowのヘルプでは、Veo 3.1のFastは20、Qualityは100、Omni Flashの720pで8秒の動画は12などと示されています。この数字はよく変わるとされているので、実際に使う画面で確認してください。なお、Veo 3.1 Fastのように、Ultraでは値引きされるモデルもあります。
権利については、公式に確認できたことが次の3つです。
- FlowやGeminiで作られた動画には、目に見えない電子透かし「SynthID」が入る。V2Aの発表のときから、同じ考え方が使われている。
- Omni Flashで作った動画には、SynthIDに加え、来歴を示すC2PAのコンテンツクレデンシャルも入るとされる。Geminiアプリで、AIで作られたかを確認できる。
- Googleの生成AIの追加利用規約(2023年8月版)は、2024年5月22日以降、契約を結んだ事業者向けを除いて適用されず、AI関連の内容はGoogle利用規約に統合されています。旧規約にあった「出力をそのまま公開する前に、利用者自身の判断で確かめる」という注意は、いまも守るべき考え方です。
ヒカリちゃんのまとめまずは無料の枠か、月725円のPlusで試すのが手軽です。SynthIDは「AIで作った」という目印で、自由に使ってよいという許可ではないので、仕事で使うときは規約を確かめてくださいね。
仕事でAIの動画と音を使う前に
効果音やBGMは、動画の印象を大きく変えます。そのぶん、誤解を招きやすい点もあります。仕事で公開する前に、私たちは次の4つを先に決めるようにしています。
- 実在の人物や声に寄せない。特定の人に似せた顔や声を作らない。本人の同意がない限り、使わないのが安全です。
- AIで作ったことを隠さない。広告や紹介動画では、実際の商品や店の様子と誤解されないようにする。公開先のルールも確かめる。
- 作ったものを手元に保存する。サービス側に置きっぱなしにせず、動画と、使った指示文を社内のドライブに残す。
- 音は必ず聴いてから使う。セリフの言い間違いや、不自然な音が入ることがあります。公開前に、最初から最後まで確認する。
料金とクレジットの数字は、2026年10月26日に公式ページで確認したものです。サービスは数か月で入れ替わることがあります。V2Aという名前が消えても、残った考え方は、次のツールにも使えます。
ヒカリちゃんのまとめツールの名前が変わっても、映像と音をどう頼むか、公開前にどう確かめるかという習慣は残ります。まずは短い動画を1本、音つきで作ってみてください。
V2Aと動画の音声生成についてよくある質問
V2Aはいま使えますか?
「V2A」という名前の単独のツールは、公式ページでは確認できませんでした。同じ目的の機能は、GeminiアプリやFlowの動画生成に入っています。
動画に効果音やBGMを自動でつけるには、どうすればいいですか?
GeminiアプリかFlowで、音の指示を含めて音つきの動画を作る方法があります。BGMだけなら、Flow Musicで曲を作り、動画編集ソフトで重ねます。手持ちの動画に音だけをつける機能は、公式では確認できていません。
日本でも使えますか?料金はいくらですか?
Veo 3は2025年5月に、日本でもGeminiの有料プランで使えると報じられました。2026年10月26日現在、Google AI Plusは月725円、Proは月2,900円、Ultraは月14,500円からです。Flowは、プランなしでも1日50クレジットが使えると案内されています。
作った動画や音を、仕事で使ってもよいですか?
商用利用の可否をプランごとに明記した公式の記載は、確認できていません。SynthIDなどの電子透かしが入ることと、権利の問題は別です。公開する前に、規約と公開先のルールを確かめてください。
SOURCES
- Google DeepMind「Generating audio for video」(2024年6月17日) deepmind.google
- Google「Flow: AI filmmaking tool」(2025年5月20日) blog.google
- Gizmodo Japan「Veo 3を試してみた」(2025年5月27日) gizmodo.jp
- Google「Flow adds speech, expands」(2025年7月10日) blog.google
- Google Developers Blog「Gemini API で利用できる Veo 3.1」(2025年10月15日) developers.googleblog.com
- Impress Watch「Veo 3.1」(2025年10月16日) watch.impress.co.jp/docs/news/2055399.html
- Google DeepMind「Veo」(2026年10月26日確認) deepmind.google/models/veo
- Google DeepMind「Gemini Omni」(2026年10月26日確認) deepmind.google/models/gemini-omni
- Google「Gemini Omni」(Google I/O 2026、2026年5月) blog.google
- Google DeepMind「SynthID」(2026年10月26日確認) deepmind.google/models/synthid
- Google DeepMind「Lyria」(2026年10月26日確認) deepmind.google/models/lyria
- Google Flow ヘルプ「Manage your Google Flow credits」(2026年10月26日確認) support.google.com/flow/answer/16526234
- Google Flow ヘルプ「Flow models & supported features」(2026年10月26日確認) support.google.com/flow/answer/16353333
- Gemini API ドキュメント「Veo」(2026年10月26日確認) ai.google.dev/gemini-api/docs/veo
- Google「生成AIの追加利用規約」(2026年10月26日確認) policies.google.com/terms/generative-ai
- Google「Google AI のプランと料金(日本)」(2026年10月26日確認) gemini.google/jp/subscriptions
「HowtoAI」は、2024年から multifverse.com で続けてきたAI活用の解説シリーズです。社名があたたかいデジタル(ATATAKAI Digital)に変わったことにともない、2026年10月からはこのブログの一つのカテゴリーとして続けていきます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
AIを、どの仕事にどう使うか。
ツールは入れ替わります。動画や音づくりも含めて、業務のどこにAIを使うと効くのか、公開前に何を確かめるべきかを、会社の仕事に合わせて一緒に考えます。
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最終更新 2026年10月26日