WordPressと静的サイト、5年間の費用はどちらが安い?
サーバー代だけでなく、更新やPHPのバージョンを上げる人の時間まで円に直して、WordPressと静的サイトの5年間の費用を比べました。計算表と最低賃金での計算例、元が取れる移行費用、静的サイトのほうが高くつく場合をまとめています。

PHPフリー · Webセキュリティ · 費用の計算
?こんな方におすすめです
- WordPressを使い続けるか、静的サイトに移すかを、お金で比べてみたい方
- サーバー代は月1,000円ほどなのに、移すためにお金をかける理由があるのか気になる方
- 保守の委託料が妥当かどうか、見直したい方
!この記事でわかること
- 5年間の費用を計算する項目と式、そして月額に直す方法
- サーバー代より大きい費用、人の時間を円に直す方法
- 元が取れる移行費用と、静的サイトのほうが高くつく場合

車を持つ費用は、ガソリン代だけではありません。
車を買うとき、私たちは車の値段とガソリン代を数えます。でも、オイル交換で整備工場に行く半日や、警告灯がついて気をもむ一日は、あまり数えません。その時間も、車を持つ費用です。
ホームページも同じです。サーバー代は月1,000円ほどで、安く見えます。でも、プラグインを更新し、バックアップを確かめ、何年かごとにPHPのバージョンを上げる時間があります。この記事では、その時間まで円に直して、5年間の費用を比べます。前提はすべて書いておくので、社長の数字に入れ替えてみてください。
なぜ5年で、なぜ人の時間まで数えるのか?
5年はPHPのバージョンを少なくとも1〜2回上げることになる期間で、サーバー代より人の時間のほうが大きな費用だからです。サーバー代だけを数えると、WordPressはいつも安く見えます。
PHPの各バージョンは、最初の2年は全面的なサポート、そのあとの2年はセキュリティの修正だけを受けます。1 1年や2年で比べるとバージョンを上げる仕事が抜けやすく、5年で比べてはじめてその仕事が計算に入ります。
人には、目に見える値段だけを数えるくせがあります。何かを買うとき、そのお金で代わりにできたはずのほかのことをなかなか思い浮かべられず、思い浮かべさせると選び方が変わるという研究があります。2 ホームページでいう「ほかのこと」は、社長の時間です。更新作業をしていた1時間で、取引先に電話をかけられたかもしれません。
- 見える費用:サーバー代、外部サービスの料金、移行費用
- 見えない費用:更新・バックアップの確認・バージョンを上げるのにかかる人の時間
- 計算:ふたつを5年分足し、60で割って月額に
見えない費用を円に直すのが、この記事の仕事です。

ヤンのまとめ領収書に載らない費用が、いちばん大きくなりがちです。社長の1時間はタダではありません。
計算表:5年間の費用には、何を足せばいいのか?
サーバー代、外部サービスの料金、移行費用、委託料、そして管理の時間 × 時間単価を足します。全部足した額を60で割ると、1か月いくらかが見えます。
| 項目 | WordPressを続ける | 静的サイトに移す |
|---|---|---|
| サーバー・ホスティング | 月のサーバー代 × 60 | 月のホスティング代 × 60(無料の範囲なら0) |
| 外部サービス | 有料プラグインの年額 × 5 | お問い合わせフォームなどの月額 × 60(無料の範囲なら0) |
| 一度だけかかるお金 | なし | 移行費用(受け取った見積もり) |
| 委託料 | 保守の月額 × 60(自分でやるなら0) | 文章の修正の委託料 × 回数(自分でやるなら0) |
| 人の時間 | 管理の時間 × 時間単価 | 管理の時間 × 時間単価 |
| 月額に直すと | 5年間の合計 ÷ 60 | |
ドメインの費用はどちらの道でも同じなので、表から外しました。ハッキングのような事故が起きたときの費用も表に入れていません。この記事で使える公式の数字がないからです。事故が起きると何が変わるかは、解説編「ホームページが乗っ取られたら?」にまとめています。

ヤンのまとめ表の欄をひとつずつ埋めていくと、うちの会社がどこにお金と時間を使っているかが、自然と見えてきます。
サーバー代は、どれくらい違うのか?
大きくはありません。小さな会社のサイトのWordPressのサーバー代は5年で数万円で、静的サイトは無料の範囲で0円もありえます。
エックスサーバーのスタンダードプランは、通常価格(税込、2026年10月25日時点)で12か月契約なら月1,100円、36か月契約なら月990円で、初期費用は0円です。3 5年なら66,000円か59,400円です。静的サイトはCloudflareに置けば、静的ファイルへのリクエストは無料で無制限で、4 無料プランで月500回までサイトを作り直して載せられます。5 お問い合わせフォームは、Formspreeの無料プランで月50件まで受け取れます。6

ヤンのまとめ「サーバー代を節約するために移しましょう」は半分だけ正しい話です。節約になるのは、サーバー代より時間です。
人の時間は、いくらで計算するのか?
WordPressを自分で管理すると、5年で47.5時間かかると見込みました。2026年度の最低賃金の全国加重平均(時給1,177円)でいちばん低く見積もっても約5.6万円で、サーバー代の5年分に近い額です。
時間単価は、厚生労働省が示した2026年度の地域別最低賃金の全国加重平均額1,177円を下限として使いました(2026年10月1日から12月2日までに順次発効予定)。7 社長が自分でやるなら、社長の1時間の価値に入れ替えてください。管理の時間は下のように分けて見込みました。この時間は、あたたかいデジタルが小さな会社紹介サイトを前提に見込んだもので、実際に測った平均ではありません。
| やること | 5年間で | 時間 |
|---|---|---|
| 毎月のプラグインの更新とバックアップの確認 | 30分 × 60回 | 30時間 |
| WordPressの大きな更新のあとの確認 | 30分 × 15回(約4か月ごとに新しいバージョン8) | 7.5時間 |
| PHPのバージョンを上げる | 5時間 × 2回(解説編「何時間かかる?」を基準) | 10時間 |
| 合計 | 47.5時間 | |
47.5時間に1,177円をかけると55,908円、時給3,000円で見込むと142,500円です。静的サイトも管理の時間は0ではありません。お問い合わせフォームが届いているかを毎月10分ずつ確かめるとすると、5年で10時間、11,770円(最低賃金)から30,000円(時給3,000円)です。

ヤンのまとめ最低賃金で見込んだのは、いちばん低い額をお見せするためです。社長の1時間は、たいていそれより高いものです。
例で計算すると5年間の費用はいくらで、元が取れる線はどこか?
サーバーを月1,100円とすると、WordPressを自分で管理する5年間の費用は約12.2万円(最低賃金で計算)です。静的サイトへの移行費用が約11万円より少なければ、5年のうちに元が取れます。
| 5年間の合計 | 時間を最低賃金で | 時間を時給3,000円で |
|---|---|---|
| WordPressを自分で管理(サーバー66,000円 + 時間) | 121,908円(月2,032円) | 208,500円(月3,475円) |
| 静的サイト(ホスティング・フォームは無料の範囲 + 時間 + 移行費用) | 11,770円 + 移行費用 | 30,000円 + 移行費用 |
| 元が取れる移行費用 | 約110,000円以下 | 約178,000円以下 |
36か月契約(月990円)なら、WordPress側のサーバー代が59,400円になり、元が取れる移行費用も最低賃金で約103,000円に下がります。保守を会社に任せているなら、計算はもっと単純です。月の委託料に60をかけてください。たとえば月10,000円なら5年で60万円で、サーバー代を足すと月約11,100円です。この10,000円は計算をお見せするための例で、相場の平均ではありません。
静的アセットへのリクエストは無料で、無制限です。 — Cloudflare Workers 料金の文書の文を訳しました(静的サイトのホスティング代を0とした根拠)

ヤンのまとめ元が取れる線は、移行費用ひとつでは決まりません。社長の時間単価が高いほど、移すほうの元は早く取れます。
静的サイトのほうが、かえって高くつくのはどんな場合か?
文章をよく直すのに自分で直しにくい場合、お問い合わせが月50件を超える場合、ネットショップや会員制のようにサーバーが仕事をする必要がある場合です。このときは、WordPressをきちんと管理するほうが安いことがあります。
- 文章をよく直す:静的サイトは、HTMLを扱えない人には文章の更新が難しいことが多く、直すたびに制作会社に頼むと、1回の料金 × 回数が新しくかかります。
- お問い合わせが多い:Formspreeの無料プランは月50件までで、それ以上は月払いで月15ドル(月200件)からです。6 5年なら900ドルです。
- サーバーが仕事をする必要がある:ネットショップ、会員のログイン、予約のように、サイトの中でプログラムが動く機能は、静的サイトにそのまま移せません(改善編04「WordPressを静的サイトに移すと?」)。
反対に、10ページ前後で、月に数回しか直さず、お問い合わせも多くない会社紹介サイトなら、5年間の計算は静的サイトのほうに傾きやすいです。どちらにしても、この表を社長の数字で一度埋めてみるのがいちばん正確です。

ヤンのまとめ計算の結果が「今のまま」でも、いい結論です。大事なのは、値段を知ったうえで選ぶことです。
WordPressと静的サイトの5年間の費用について、よくある質問
サーバー代だけなら、WordPressのほうが安くないですか?
サーバー代だけなら差は小さいです。差を生むのは、更新・バックアップの確認・PHPのバージョンを上げるのにかかる人の時間で、最低賃金でいちばん低く見積もっても5年で約5.6万円です。
静的サイトは、管理することがまったくないのですか?
いいえ。PHPやプラグインを気にすることはほとんどなくなりますが、お問い合わせフォームの確認と、文章を直したときに載せ直す作業は残ります。
移行費用が元の取れる線より高ければ、移さないほうがいいですか?
お金だけで見ればそうです。ただ、事故が起きたときの被害や気をもむ時間はこの表に入れていないので、その値打ちを社長がいくらと見るかも一緒に考えてください。
SOURCES
- PHP 「Supported Versions」(2026年10月24日時点の表) php.net
- Frederick ほか 「Opportunity Cost Neglect」(Journal of Consumer Research 36巻4号、2009年、IDEAS/RePEc の抄録) ideas.repec.org
- エックスサーバー 「料金」(2026年10月25日確認、表示価格は税込) xserver.ne.jp
- Cloudflare 「Pricing · Cloudflare Workers docs」(2026年10月2日更新) developers.cloudflare.com
- Cloudflare 「Limits · Cloudflare Pages docs」(2026年9月5日更新) developers.cloudflare.com
- Formspree 「Pricing and Plans」(2026年10月25日確認) formspree.io
- 厚生労働省 「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」(2026年9月3日) mhlw.go.jp
- Make WordPress Core 「Release Cycle」(2026年6月1日更新) make.wordpress.org
仕事の大きさを知り、自分でやるか任せるかを決め、費用を比べる順番です。
- PHPのバージョンを上げるのに、何時間かかる?作業の順番と時間表
- PHPの更新、自分でやるか任せるか 10問の判定表
- WordPressと静的サイト、5年間の費用はどちらが安い?(この記事)
ほかの記事はあたたかいデジタルのブログでご覧いただけます。
御社の数字で、計算表を一緒に埋めます。
サーバー代、委託料、管理の時間を伺って、WordPressを続ける場合と静的サイトに移す場合の5年間の費用を一緒に計算します。今のままのほうが安いなら、そのままそうお伝えします。
あたたかいデジタルに相談するまずサイトの今の状態から見るなら 30秒チェック

最終更新 2026年10月26日

