Googleの「ScreenAI」はどうなった?|画面を読むAIとUXの2026年
2024年に紹介したGoogleの研究「ScreenAI」は製品にならないまま、画面を読むAIはGemini LiveやGemini in Chrome、AIエージェントへと広がりました。当時の記事を答え合わせし、いま使える道具と、UX・Web担当者が自社サイトでできることをまとめます。

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?この記事はこんな方に
- 「Google ScreenAI」を調べて、その後どうなったのか知りたい方
- 画面を読み取るAIが、自分の仕事にどう関係するのか気になっている方
- 会社のWebサイトやアプリの担当で、AIに読まれる時代の準備をしたい方
!この記事でわかること
- ScreenAIとは何だったのか、2026年10月までに何が起きたか
- いま実際に使える「画面を読むAI」と、その始め方
- UX・Web担当者が、自分のサイトについて今日からできること

こんにちは、ヒカリです。
2024年4月、私たちはGoogleの研究「ScreenAI」を紹介して、「UXの未来を変えるか?」と問いかけました。この記事では、ScreenAIが何だったのかを振り返り、画面を読むAIがその後どこまで来たのかを年表で確かめます。最後に、いま使える道具と、Webサイトの担当者が今日からできることを一緒に見ていきますね。
Google ScreenAIとは何だったのか
ScreenAIは、Googleの研究チームが2024年に発表した、画面を理解するためのAIモデルです。論文は2024年2月に公開され、3月19日にGoogle Researchのブログで紹介されました。スマホアプリやWebページの画面(UI)と、グラフや図解のような「インフォグラフィック」の両方を読み取れることが特徴でした。
研究ブログと論文によると、ScreenAIはおもに次のことができました。
- 画面の要素を書き出す。ボタン、文字、画像などの種類・位置・説明をテキストにする(スクリーン・アノテーション)。
- 画面について質問に答える。スクリーンショットを見せて「この店の名前は?」と聞くと、画面の文字を読んで答える。
- 操作の指示を、画面上の動作に変える。「リストの最初の項目を押して」のような指示を、どこを押すかに置き換える。
- 画面を短く要約する。表示内容を1〜2文にまとめる。
しくみの面では、Googleの画像と言葉を扱うモデル「PaLI」をもとに、縦長・横長の画面をそのままの比率で扱う工夫(pix2structの分割方法)を組み合わせていました。学習データは、画面の要素を書き出したテキストを大規模言語モデル(LLM)に渡し、質問応答・操作・要約の練習問題を大量に作らせる方法で用意したと説明されています。
あわせて「Screen Annotation」「ScreenQA Short」「Complex ScreenQA」の3つのデータセットが公開され、いまもGitHubで見ることができます。論文は国際会議IJCAI 2024の論文集にも載りました。
ヒカリちゃんのまとめScreenAIは、画面を人のように「見て読む」ための研究モデルでした。私たちが触れる製品ではなく、研究の成果とデータが公開されたものだったんですね。
画面を読むAI、2026年10月までの年表
ScreenAIという名前の製品は、その後出てきませんでした。一方で、「画面を見て理解し、操作するAI」はGoogleでも他社でも、製品として次々に登場しています。主な出来事を並べます。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年2月 | ScreenAIの論文がarXivで公開される。 |
| 2024年3月19日 | Google Researchのブログで紹介。3つのデータセットを公開。 |
| 2024年4月 | 私たちが「Googleの『ScreenAI』、UXの未来を変えるか?」を公開。 |
| 2024年10月22日 | Anthropicが、AIが画面を見てマウスとキーボードを操作する「computer use」を開発者向けに公開ベータで提供。 |
| 2024年12月 | Googleがブラウザを操作するAIエージェントの研究「Project Mariner」を発表(当初は一部のテスターのみ)。 |
| 2025年4月8日 | Geminiアプリの「Gemini Live」で、スマホの画面やカメラの映像を見せながら話せる機能が始まる(まず有料プランのAndroid利用者などから)。 |
| 2025年5月 | Gemini Liveのカメラと画面共有が、AndroidとiOSで無料で使えるようになると発表。 |
| 2025年7月17日 | OpenAIが「ChatGPT エージェント」を発表。画面を見てWebを操作する「Operator」の機能を統合。 |
| 2025年10月7日 | Gemini APIで「Gemini 2.5 Computer Use」モデルがプレビュー公開。スクリーンショットを見て、クリックや入力の指示を返す。 |
| 2026年1月28日 | 米国で、Chromeを代わりに操作する「自動ブラウジング(auto browse)」のプレビューが始まる(Google AI Pro・Ultra契約者)。 |
| 2026年2月10日 | Chromeが、Webサイトの側からAIエージェントに「できる操作」を伝える仕組み「WebMCP」の早期プレビューを開始。 |
| 2026年4月21日 | 日本で「Gemini in Chrome」の提供が始まる。見ているページをGeminiが読んで手伝う(パソコン版から順次)。 |
| 2026年5月4日 | Project Marinerが終了。公式サイトでは、技術はほかのGoogle製品に引き継がれたと案内された。 |
| 2026年6月22日 | Chromeが、サイトがAIエージェントにとって扱いやすいかを調べる道具一式を発表。Lighthouseに「エージェントによるブラウジング」の項目が加わる(Chrome 150以降)。 |
| 2026年7月28日 | Gemini 2.5 Computer Useモデルの提供終了日(最も早い場合)。後継としてGemini 3.8 Flashが案内されている。 |
| 2026年10月 | Gemini APIのComputer Useは、Gemini 3.8 Flashなど複数のモデルで使える機能になった。ただし位置づけはまだプレビュー。 |
ヒカリちゃんのまとめScreenAIという名前は製品になりませんでしたが、画面を読むAIはこの2年で、話しかける・調べる・操作するところまで広がりました。そしてWebサイトの側が、AIに読まれる準備をする段階に入っています。
いま使える「画面を読むAI」と始め方
2024年の記事では「公開までしばらく待つ必要がある」と書きました。ScreenAIそのものではありませんが、画面を見て答えてくれるAIは、いまは日本でも使えます。仕事で試しやすいものを3つ挙げます。
Geminiアプリで、スマホの画面を見せながら声で質問できます。アプリの使い方がわからないとき、画面を見せて「どこを押せばいい?」と聞く使い方です。
パソコンのChromeで、開いているページをGeminiが読み、要約や比較をしてくれます。日本では2026年4月から。
スクリーンショットを見て、クリックや入力などの操作を返すAIを、自社の仕組みに組み込めます。
Gemini Liveで画面を見せる手順(Android)
Geminiアプリのヘルプ(2026年10月26日確認)では、次のように案内されています。
- Geminiアプリを開き、Liveを始める。Googleアカウントでログインしておきます。
- Live画面の画面共有アイコンを押す。または「OK Google」と話しかけて「Live と画面を共有する」を選びます。Gemini Liveの通知をオンにしておく必要があります。
- 見せたいアプリやページに切り替えて、声で質問する。「この画面の申込ボタンはどこ?」のように聞きます。
- 終わったら共有を止める。Liveを一時停止したり画面をロックしたりすると、画面共有は止まります。再開は手動です。
iPhoneでも、Geminiアプリから画面共有ができるようになったと2025年5月に報じられています。手順はiPhone向けのヘルプで確かめてください。
Gemini in Chromeの始め方や、タブを並べて比べる使い方は、Gemini in Chromeの記事にまとめています。Chromeが代わりにページを操作する自動ブラウジングは、2026年10月26日に確認した時点でも、米国在住・英語設定・Google AI ProかUltraの契約が条件で、日本からは使えません。
ヒカリちゃんのまとめスマホならGemini Liveの画面共有、パソコンならGemini in Chromeから試すのが近道です。どちらも有料プランに入らなくても始められます。
ScreenAIの2024年の記事の答え合わせ
2024年4月の記事で書いたことを、いまの情報と照らし合わせます。
| 当時書いたこと | いま振り返ると | 判定 |
|---|---|---|
| ScreenAIは、UIとインフォグラフィックの両方を理解する視覚言語モデル | 研究ブログと論文のとおり。 | 当時は正確 |
| PaLIをもとに、pix2structの分割方法を取り入れている | 研究ブログのとおり。 | 当時は正確 |
| 学習データは「自己監督学習」で自動的にラベルを作る | 自動で作るのは正しいが、要は画面の書き出しをLLMに渡して練習問題を作らせる点だった。そこには触れていなかった。 | 半分当たり |
| 質問への回答、画面の操作、要約ができる | 研究の範囲では当時のとおり。同じ種類のことは、いまGemini LiveやComputer Useで実際に使える。 | 当たり |
| まだ研究段階で、一般には使えない | 当時は正確。その後もScreenAIという名前の製品は出ていない。 | 当時は正確 |
| 試すには公開を待つ必要がある。情報が入り次第知らせる | ScreenAIの公開は確認できない。待つべきだったのはScreenAIではなく、Geminiなど別の名前の製品だった。続報もこの記事まで出せなかった。 | 外れ |
| (題名)UXの未来を変えるか? | 画面を読むAIは広がった。ただ、変わったのは使う人の体験だけでなく、「AIにも読みやすいサイトを作る」という作る側の仕事だった。 | 半分当たり |
いちばんの見落としは、「AIが画面を読むなら、サイトはどう作るべきか」を書かなかったことです。
2024年の記事は、ScreenAIのしくみの説明が中心でした。題名でUXを問いかけながら、Webサイトやアプリを作る人が何をすればいいかには触れていません。いまはChromeの開発者向け資料が、まさにその答えを出し始めています。次の章で紹介します。
ヒカリちゃんのまとめScreenAIの説明は当時として正確でしたが、「公開を待つ」という見通しは外れました。画面を読むAIは、別の名前でもう私たちの手元に来ています。
UX・Web担当者がいまできること
Googleの開発者向けサイトweb.devの記事によると、AIエージェントはおもに3つの方法でページを読み取ります。スクリーンショットを画像として見る方法、HTMLの構造を読む方法、ブラウザが支援技術向けに作る「アクセシビリティツリー」を読む方法です。さらに、サイトが用意したWebMCPのツールを使う方法も、提案中の新しい経路として紹介されています。いまのエージェントは、これらを組み合わせて使うと説明されています。
ScreenAIのように画像だけで画面を読む方法は、遅くて手間がかかるため、補助的な手段とされています。Chromeの開発者ブログ(2026年6月22日)は、アクセシビリティツリーを「AIエージェントがページを理解する主な方法」と書いています。つまり、目の不自由な人のために整えてきた作りが、そのままAIにも効くということです。
今日からできる5つのこと
- Lighthouseの「エージェントによるブラウジング」を実行する。Chrome 150以降のLighthouseで、このカテゴリを選んで自社のページを調べます。アクセシビリティ、レイアウトの安定性、llms.txt、WebMCPの項目があり、0〜100点ではなく「何項目を満たしたか」で表示されます。まだ試験的な機能です。
- ボタンとリンクは本物の要素で作る。見た目だけボタンにしたdivではなく、buttonやaを使います。入力欄には、labelをきちんと結びつけます。
- ボタンの上に透明な要素を重ねない。覆われた部品は、エージェントが無視することがあると説明されています。
- 大事なボタンの位置をそろえ、表示中のずれを減らす。「カートに入れる」などはどのページでも同じ場所に置きます。読み込み中に画面がずれると、エージェントが押し間違える原因になります。
- 自分のサイトをGeminiに読ませてみる。Gemini in Chromeで自社のページを開き、「このページから問い合わせるにはどうすればいい?」と聞いてみます。答えがずれていたら、人にもわかりにくい作りかもしれません。
WebMCPは「知っておく」段階
WebMCPは、サイトの側から「予約する」「検索する」といった操作をAIエージェントに直接伝えるための仕組みです。HTMLのフォームに注釈を足す方法と、JavaScriptで定義する方法があります。2026年10月7日更新のChromeのドキュメントでは、まだ提案中の標準で、Chrome 149からオリジントライアル(試験提供)の段階です。制作会社に頼む場合も、いまはまず上の1〜4を整えるほうが先だと私たちは考えています。
ヒカリちゃんのまとめAIに読みやすいサイトは、人にも使いやすいサイトです。まずはLighthouseで自社のページを一度調べて、ボタンと入力欄の作りから見直してみましょう。
画面をAIに見せる前の注意(プライバシー・権利)
画面を読むAIは便利ですが、画面に映っているものはすべてAIに渡ります。仕事で使う前に、次の点を確かめてください。
- スマホの画面共有は、画面全体が渡る。Geminiのヘルプには「画面を共有すると、デバイスの全画面が Gemini に共有されます」とあります。通知やほかのアプリの内容も映るので、お客様の情報や社外秘の資料を開いたまま共有しないようにします。
- Chromeでは、開いているタブの内容とURLが渡る。Geminiのプライバシーのヘルプでは、現在のタブと共有したタブから、ページの内容とURLを集めて処理すると説明されています。設定の見直し方はGemini in Chromeの記事で紹介しています。
- 代わりに操作させるときは、最後は自分で確かめる。Gemini APIのComputer Useは、誤りや安全上の弱点を含む可能性があるプレビュー機能とされ、隔離した環境での利用と人の監督がすすめられています。Chromeの自動ブラウジングも、購入の確定や規約への同意は利用者に引き継ぐ仕組みです。
- 他人のページや画面の内容を、そのまま外に出さない。AIに要約させた他社のページや、スクリーンショットに写った他人の作品には、それぞれ権利があります。社内の検討に使うのはよくても、資料や記事として公開するときは、引用の範囲に収め、出典を示します。
ヒカリちゃんのまとめ画面を見せる前に、映っているものを一度見回すのがいちばんの対策です。操作を任せるときも、お金や契約が動く場面は自分の目で確かめてくださいね。
Google ScreenAIについてよくある質問
ScreenAIはいま使えますか?
ScreenAIという名前の製品やアプリは、2026年10月時点で確認できません。研究とあわせて公開された3つのデータセットは、GitHubで見ることができます。画面を見て答えるAIを使いたい場合は、Gemini Liveの画面共有やGemini in Chromeが身近です。
ScreenAIの技術はGeminiに使われているのですか?
Googleがそう説明した一次資料は見つかりませんでした。画面を読んで操作する機能はGeminiの製品やAPIで提供されていますが、ScreenAIとの関係ははっきりしていません。
スマホの画面をAIに見せて質問するにはどうすればいいですか?
Geminiアプリの「Gemini Live」で、画面共有のアイコンを押すか、「OK Google」と話しかけて「Live と画面を共有する」を選びます。画面全体が共有されるので、見せたくない情報は閉じてから使ってください。
自分のサイトがAIエージェントに読みやすいか調べる方法は?
Chrome 150以降のLighthouseにある「エージェントによるブラウジング」のカテゴリで調べられます。試験的な機能で、点数ではなく満たした項目の数で結果が出ます。
SOURCES
- Google Research「ScreenAI: A visual language model for UI and visually-situated language understanding」(2024年3月19日) research.google/blog
- arXiv「ScreenAI: A Vision-Language Model for UI and Infographics Understanding」(2024年2月7日初版) arxiv.org/abs/2402.04615
- IJCAI 2024 論文集「ScreenAI: A Vision-Language Model for UI and Infographics Understanding」 ijcai.org(PDF)
- GitHub「google-research-datasets/screen_annotation」(2026年10月26日確認) github.com/google-research-datasets/screen_annotation
- Anthropic「Introducing computer use, a new Claude 3.5 Sonnet, and Claude 3.5 Haiku」(2024年10月22日) anthropic.com/news/3-5-models-and-computer-use
- Google Japan Blog「Gemini Live に動画と画面共有機能が追加」(2025年4月8日) blog.google/intl/ja-jp
- ギズモード・ジャパン(2025年5月21日) gizmodo.jp/2025/05/gemini-live-android-ios.html
- 9to5Google(2025年5月29日) 9to5google.com
- 窓の杜(2025年7月18日) forest.watch.impress.co.jp/docs/news/2032283.html
- Gemini アプリ ヘルプ「Gemini Live で自然に会話する」(2026年10月26日確認) support.google.com/gemini/answer/15274899
- Gemini アプリ ヘルプ「Gemini アプリのプライバシー ハブ」(2026年10月26日確認) support.google.com/gemini/answer/13594961
- Google AI for Developers「Computer Use」(2026年10月22日更新、2026年10月26日確認) ai.google.dev/gemini-api/docs/computer-use
- Google AI for Developers「Gemini deprecations」(2026年10月26日確認) ai.google.dev/gemini-api/docs/deprecations
- Google「Chrome の自動ブラウジング」発表(2026年1月28日) blog.google
- Chrome ヘルプ「Gemini in Chrome の自動ブラウジングでタスクを完了する」(2026年10月26日確認) support.google.com/chrome/answer/16821166
- Google Japan Blog「Gemini in Chrome」(2026年4月21日) blog.google/intl/ja-jp
- Business Insider Japan(2026年4月21日) businessinsider.jp
- GIGAZINE「Google quietly shuts down its browser AI agent, 'Project Mariner.'」(2026年5月7日) gigazine.net
- Chrome for Developers「WebMCP is available for early preview」(2026年2月10日) developer.chrome.com/blog/webmcp-epp
- Chrome for Developers「WebMCP」(2026年10月7日更新、2026年10月26日確認) developer.chrome.com/docs/ai/webmcp
- Chrome for Developers「A developer toolkit to make your website agent-ready」(2026年6月22日) developer.chrome.com/blog/agent-ready-toolkit
- Chrome for Developers「Lighthouse エージェントによるブラウジングのスコア」(2026年10月26日確認) developer.chrome.com/docs/lighthouse/agentic-browsing
- web.dev「Build agent-friendly websites」(2026年4月1日更新、2026年10月26日確認) web.dev/articles/ai-agent-site-ux
「HowtoAI」は、2024年から multifverse.com で続けてきたAI活用の解説シリーズです。社名があたたかいデジタル(ATATAKAI Digital)に変わったことにともない、2026年10月からはこのブログの一つのカテゴリーとして続けていきます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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最終更新 2026年10月26日